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「誠也の外は『地獄』。だから…」侍Jの4番を今季1割3分3厘に 中日・大野が明かす“分岐点の1打席”

2019/12/11(水) 13:01配信

中日スポーツ

◇数字で振り返る2019竜戦士(1)

 アスリートが結果で評価されるのは、プロ野球も例外ではない。結果とは数字。『数字で振り返る2019竜戦士』。中日ドラゴンズの主力11選手を象徴する数字を拾い上げた。第1回は大野雄大投手(31)だ。エースの数字は何を語っているのか―。

【写真】根尾スーパーキャッチ

 1割3分3厘。大野雄が残したこの数字が語るのは、彼の揺るぎない覚悟である。これは今季の大野雄と広島・鈴木の対戦打率だ。15打数2安打、打点ゼロ。鈴木が10打席以上対戦した投手は13人いるが、最も抑えたのが大野雄だ。

 侍ジャパンの4番にして、今季両リーグでただ一人、OPS(長打率+出塁率)が1を超えた最強のスラッガー。昨季までの大野雄も、打たれるか逃げるかだった。ところが、今季は一変。腹をくくり、立ち向かった。鈴木をねじ伏せたのは、偶然ではない。彼はこのデータを知っていたし、その内容も克明に記憶していた。

 「誠也は内を捨てているんですよ。手を出してこない。その代わり、外は地獄です。打ち損じもないし、長打率も高い。実際、僕が打たれた2本も外のツーシームでした。幸い、長打にはなりませんでしたが。だから誠也を抑えるには内に投げきれるか。ここに尽きるんです」

 鈴木は怖い。だから外角でようすを見る。その球を鈴木は逃さない。大野雄いわく「地獄」。釜ゆでか、火あぶりか…。そこから逃げるには内角を攻める。言うのは簡単だが、やるのは難しい。少しでも甘く入るとやはり「地獄」。全16打席の中で、分岐点となったのが5月21日(三次)の2回だ。

 「全球、ストレートだったんです。もちろん内角。誠也は真っすぐにも強い。でも投げきれました。あれは自信になったし、その後にも生きたと思います」。2ボール1ストライクから、力のない中飛に打ち取った。

 今季の大野雄は、規定投球回数到達者の中でリーグトップの被打率2割6厘。セ・リーグで誰よりも多くのイニング(177イニング2/3)を投げ、誰よりも安打を打たせず、誰よりも点を取られなかった(最優秀防御率)。その根幹にある立ち向かう姿勢が、鈴木との対戦打率に表れている。

 「でもね、いい打者になるほど打席の中身を覚えています。だから来年は…」。来季の自分に問われているのはさらなる「覚悟」だと、彼はわかっていた。(渋谷真)

最終更新:2019/12/14(土) 8:49
中日スポーツ

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