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台湾の近代美術史をひもとく伝記シリーズ新刊 大正時代の日本人画家も

2019/12/12(木) 12:21配信

中央社フォーカス台湾

(台北中央社)台湾の近代美術史をひもとく伝記シリーズ「家庭美術館-美術家伝記叢書」の新刊発表会が10日、中部・台中市の国立台湾美術館で行われた。1995年から続く同シリーズ。今回は、日本統治時代に活躍した日本人画家、郷原古統など10人が紹介された。

郷原は1917(大正6)年に台湾に渡り、36(昭和11)年に帰国するまでの約20年間を台湾で過ごした。美術教師として人材育成に力を注いだほか、台湾美術展(台展)の創立に関わり、審査員も務めた。

郷原のほか、幼少期から学生時代までを京都で過ごした画家の陳敬輝や先住民プユマ族の彫刻家Haku(哈古)、1949年に国民党とともに中国大陸から台湾に渡り、その後米国に拠点を移した画家、秦松らが名を連ねた。

出版に合わせ、同系列のドキュメンタリーDVD「台湾資深芸術家影音記録片」も発行され、日本統治時代の画家、廖継春や、戦前に普及していた日本画を中国語の「膠彩画」と改名して戦後の国民党政権下で存続させた林之助ら4人が取り上げられた。

発表会に出席した文化部(文化省)の蕭宗煌政務次長は、作品の収蔵やメンテナンスを重視して台湾美術史の再構築を進める同部の姿勢を強調。芸術家と作品のみならず、創作過程で残した史料や生活史などにも目を向けた研究を行っていきたいと意欲を示した。

同シリーズは、台湾美術の伝承に必要な資料を残すため、行政院(内閣)文化建設委員会(現・文化部)が1992年に始動させたプロジェクトで制作が始まった。2007年にはドキュメンタリーも作られるようになった。これまでに発行された伝記は今回を含め131冊、ドキュメンタリーは41作品に上る。

(鄭景ブン/編集:塚越西穂)

最終更新:2019/12/12(木) 12:21
中央社フォーカス台湾

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