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山崎裕太、目指すは一人芝居の職人 38歳にしてデビュー35周年

2019/12/12(木) 5:59配信

デイリースポーツ

 38歳にして、今年デビュー35周年を迎えた俳優・山崎裕太。フジテレビ系人気バラエティー番組「あっぱれさんま大先生」で大ブレークし、現在は俳優としてさまざまな舞台で存在感を発揮している。芸能生活35周年の集大成として、来年3月には東京・ウッディシアター中目黒で、一人芝居「赤ずきんちゃんのオオカミ」(5~8日)を上演。さまざまな出会いと苦難を経て、酸いも甘いもかみ分けた男の歩んできた道と、これから歩んでいく道とは-。

【写真】念願の一人芝居…熱く語った山崎裕太

 35年にわたって芸能界を見通してきた目には、独特の力が宿っている。「今は、どうすればスムーズに現場が回るのか、スタッフがやりやすいかとか…、知らない人が見たら“職人的”なことをしていると思う」と自らの立ち位置を語った。

 芸能界デビューは3歳の時。「親と一緒に銀座を歩いてる時に、迷子になりまして。助けてくれた方が、当時の事務所の社長さんだった。『この子かわいいから。デビューさせなさい』って、翌日から事務所に入って、気づいたらデビューしてましたね」という。

 自身の意志に基づかないデビューだっただけに、幼少時は「全然やる気がなかった」。それでも1988年、7歳の時にスタートした、明石家さんま(64)が司会の「あっぱれさんま大先生」で、一気にスターダムに。「そこまで意識はしてなかったですけど、『いつも見られている』という部分はありました」という状況だった。

 子供たちの天真爛漫さがウリの番組にあって、「僕だけはそうじゃなかった」という。「さんまさんの動きとか、目が合ったらこうしなきゃいけないとか決まり事のようにあった。毎週のように収録後に呼ばれて、『裕太、あそこもっと早く言わなあかん』『あいついじったらあかんねん』とか、僕だけたたき込まれた」と、“お笑い怪獣”から受けた英才教育。その分「コミュニケーションは誰とでも取れるし、現場の空気を変えることができる。観察力とかもついたし、バラエティーやってて良かったなと」と振り返った。

 大ブレークしながらも、芸能活動に本腰が入っていなかった山崎。中学時代には本格的に芸能界引退を考えた。「とにかく、普通の生活ができない。16歳になったら原付の免許を取って、みんなでツーリング…とかも、イメージが良くないからと止められたりもした」という。だが、いざ辞めるとなった際に、「周りの人間と比べたときに、一番足が速いわけでも、スポーツができるわけでもケンカが強いわけでもない」と思い直し、一生芸能界で生きていく覚悟を決めた。

 山崎の俳優人生に最も大きな影響を与えたのは、劇団☆新感線の主宰で演出家のいのうえひでのり氏(59)。「20歳になって、新感線で舞台をやったときに、自分にとって一番表現できる場所だと思った。テレビの画面とか人の話とかのフィルターを通さず、生で見て感じてもらえる」という運命の出会いだった。「最終日にね、ダメ出しされたんですよ。『もう直せねえのに何で?』と思ったけど、今となってみれば、次に続いていくための意味だったんですよね」と述懐した。

 一時は仕事が減った時期もあったが、腐らずに活動を続けてこられた理由は「上も下も横も見て、広い視野を保ってきたから」という。下からの刺激としては「20代半ばを超えたころから、神木隆之介とか、すごい子役が出てきた」と挙げ、自分こんなしっかりしてなかったな、この子たちの方が芝居できてるなと思うと、もっとちゃんとしないといけないと」と思いを新たにしたという。

 「横」のつながりで挙げたのは、同級生の俳優・高橋一生(38)。「子役のころから一緒で、『こんな芝居うまいやつが何で売れないんだろう』と思ってた。彼の苦労も知っているので、今、一生が売れてるの見ると心からうれしい」とニッコリ。演技派俳優としてしのぎを削るライバルの存在を、心の底から喜んでいた。

 多くの出会いと、紆余曲折で磨かれた35年。その集大成として山崎が挑むのが、「30歳になったぐらいから、やってみたいと思っていた」という一人芝居。「エンターテインメントとしての集大成がある気がする。音楽と芝居の関係性、コントと俳優の関係性…。そういうのを表すことができる」と、強い思いを口にした。

 不惑を目前として、まだまだ立ち止まらない意欲の塊。「未知の世界ですし、ある意味チャレンジですね」としつつ、「僕のことを知らない人に見に来てもらいたい。人気絶頂のころから比べたら、知名度も落ちている中で、10代20代の人に知ってもらえるいいタイミングなんじゃないかな」。“職人”としての誇りをたたえた笑顔の奥で、再び鋭い目が光った。

最終更新:2019/12/12(木) 7:53
デイリースポーツ

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