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台風19号から2カ月 営業再開 販路、客足回復に奮闘 本宮

2019/12/12(木) 9:48配信

福島民報

 上陸から二カ月が経過した台風19号の県内被災地では、復旧作業が本格化して水害発生前の姿を取り戻しつつある一方、避難生活や事業再開で新たな課題も浮上している。中心商店街が被災した本宮市の事業主は、売り上げの回復や設備復旧に向けた補助金の申請手続きに頭を悩ませている。いわき市の高齢夫妻は、長引く避難生活による健康悪化や生活再建資金の工面に不安を募らせる。

 本宮市の商店街では、営業を再開する店が増えてきた。しかし、休業中に縮小した販路や遠のいた客足の回復、国の支援策への申請作業の負担などが課題となっている。

 年内の全面再開に向けて準備を進める老舗糀(こうじ)屋「糀和田屋」の三瓶正人社長(52)は「販路をどれだけ元に戻せるか、これからが正念場」と強調する。阿武隈川の氾濫で工場が浸水し、各種設備や在庫などの被害総額は一億円を超える。損害保険や国のグループ補助金を活用した再建策を練りながら、甘酒やこうじなどの生産を一部再開した。

 新しい設備を発注する一方で、機械の修理を繰り返しながら手作業も加えて生産している。「顧客の注文に応じるためには、新品が届くまで待ってはいられない」と焦りが募る。

 近く応急復旧を終えて全面再開する予定だが、急ぐのには理由がある。こうじや塩こうじ、甘酒などの商品を卸していたスーパーなどの小売店で、休業中に競合他社の商品を扱うようになったケースがあるためだ。仮に再び卸すことはできても、取引量が減る不安がつきまとう。「販路を回復に努めながら新規開拓にも力を入れなければ」と奔走する。

 再開した飲食店や小売店も厳しい状況が続く。飲食店と旅館業でつくる二業組合の北沢文史郎組合長(52)は「水害前に比べると客足は鈍い。年末年始の需要に期待したいが、売り上げを戻すには時間がかかりそう」と厳しい見通しを示す。

 グループ補助金などの申請作業も経営者にとっては悩みの種だ。各種催しの映像制作を手掛ける「サウンド杉」の杉内四郎社長(78)は事業を再開したものの、「申請に必要な書類の一部を浸水で失った。補助金に必要なグループの組み方も難しい」と不安を口にする。被災者の負担を軽減するよう、市と市商工会は相談窓口を設けて対応に当たっている。

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最終更新:2019/12/12(木) 10:24
福島民報

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