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石川佳純か、平野美宇か? 苦悩、覚醒、涙の4年間、苛烈な五輪代表争いは最終決着へ

2019/12/12(木) 6:31配信

REAL SPORTS

史上稀に見る大接戦となった東京五輪・女子卓球のシングルス代表争い。すでに伊藤美誠の内定が決まっており、残り1枠を争うのは石川佳純と平野美宇だ。4年にわたる長き代表枠争いも、12日から中国で開催される2019 ITTFワールドツアーグランドファイナルでの結果を受けて幕切れとなる。伊藤と共に東京五輪の晴れ舞台に立つのは、石川か平野か。葛藤と覚醒が交錯する三者三様の4年間を追った。

2つのシングルス代表枠を巡る過酷な物語

悲願の金メダルへ。メダル獲得を現実的な目標と捉え、日本勢初の金メダル獲得も期待される女子卓球。そのシングルス代表争いが佳境を迎えている。

シングル枠はわずかに2。12月12日から中国で開催される2019 ITTFワールドツアーグランドファイナルでの結果で、残り1枠が決定する。伊藤美誠が一足先に代表を内定させ、女子のシングルス枠を争うのは、石川佳純と平野美宇の2名。8日に行われたITTFチャレンジ・ノースアメリカンオープン決勝で相まみえた石川と平野。貫禄を見せた石川が、ゲームカウント4-2で平野に接戦の末に勝利を収めた。

この結果により、石川は1100ポイントを獲得し、最低有効ポイントで、平野を135ポイント上回り優位に立った。普段感情を表に出す印象が少ない石川の涙が、代表争いの過酷さを物語っていた。だが、そのポイント差もわずか。平野にも十分に逆転のチャンスは残されている。

グランドファイナルで平野が石川の成績を上回れば、この数字は逆転するのだ。史上稀に見る大接戦を制し、東京の舞台に立つのは誰なのか。

卓球界を牽引してきた女王・石川と「黄金世代」

リオデジャネイロ五輪の団体銅メダル獲得から3年弱が経つ。リオを経験した石川と伊藤。リオにリザーブメンバーとして同行したが、出場できなかった平野。これまで卓球界の顔であった福原愛がコートを去ったあと、この三者は非常にハイレベルな争いを繰り広げている。同時に各々が浮き沈みの激しい時間も過ごしている。

世界ランキング6位で臨み、日本のエースとして出場した石川にとって前回大会は悔いが残る大会だった。団体銅メダルに貢献しながらも、シングルスでは試合中に足をつり痙攣を起こし、世界ランキング50位の格下選手に対してまさかの初戦敗退。

「プレー中に痛みはなかった」
「足がつったのは、私の体力がなかったからです」

そう繰り返した石川にとって、地元開催の東京五輪でのリベンジへの想いは並々ならぬものがある。19歳で挑んだロンドン五輪でシングルス4位に入り、全日本卓球選手権大会を3連覇するなどトップランナーとして卓球界を牽引してきた女王は、リオ五輪以降も安定した成績を残し、常に世界ランキングでも上位に食い込んでいる。そういった意味では、最も安定感と実績があるのは石川といえるだろう。ただ、今季は石川も下部ツアーに参加するなど決して本調子というわけではない。そんな女王を脅かしたのが、卓球王国である中国メディアから「大魔王」「ハリケーン」と評された2人の天才少女だった。

伊藤と平野、さらに早田ひなら実力者がひしめく2000年生まれの世代は、「黄金世代」と形容されることがある。幼少期からお互いを知る親友でありライバル。伊藤と平野は、「みうみま」コンビとして、中学時代から注目を集めていた。伊藤が14歳でワールドツアー最年少シングルス優勝を果たせば、平野は16歳と最年少で全日本選手権シングルス優勝を果たす。その後、平野が2017年のアジア選手権で中国のトップ3選手を破る圧巻の内容で優勝に輝けば、伊藤も2018年ツアーでは破竹の勢いで中国選手を撃破している。長らく日本卓球界にとって“壁”であった中国を2人の高校生が圧倒する姿は、日本のみならず世界にも強い衝撃を与えた。

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最終更新:2019/12/12(木) 20:34
REAL SPORTS

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