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「実話」じゃない? クリント・イーストウッド、女性記者が「性を武器にした」と描いてバッシング

2019/12/12(木) 22:22配信

ELLE ONLINE

映画『アメリカン・スナイパー』や『ハドソン川の奇跡』などこれまで実話を元に多くの映画を監督してきたクリント・イーストウッド。新作の『リチャード・ジュエル』はアトランタオリンピックで起きた爆破テロ事件を題材にした作品である。容疑者としてFBIに逮捕された警備員リチャード・ジュエルと、FBIの捜査に疑問を持ちジュエルを救うために闘う弁護士を描いている。登場人物の多くは実在の人をモデルにしている。

問題となっているのはオリヴィア・ワイルド演じる新聞記者キャシー・スクラグスをめぐる描写。キャシーは新聞「アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション(AJC)」に所属していた実在の記者で、FBIがジュエルに容疑をかけたことを最初にスクープした。劇中でキャシーは事件に関する情報を得るためにFBIの捜査官と性的関係を持つ。

でもAJCはこれにはまったく根拠がないと主張。弁護士を通じて「私たちが従業員を性的に搾取したり、証言と引き換えに情報源に性的な満足を与えることを従業員に認めたり他そういう行為を助けたりしているように描かれている。これは完全な偽りであり、悪意がある。非常に不快で中傷的だ」とイーストウッド監督や脚本家、制作したワーナー・ブラザーズに抗議、「映画の一部は、事実を脚色し設定を変えていると説明する文書を発表せよ」と求めている。これに対して制作会社のワーナー・ブラザーズは 「AJCの主張には根拠がない」とコメントしている。AJCはこれまで多くのセレブを担当してきた弁護士マーティ・シンガーに依頼、イーストウッド監督たちを提訴することも辞さないと発表している。

AJCの現編集長は「この映画で描かれているものは私たちが実際にやっている取材方法と違う」とウェブサイト「デイリー・ビースト」にコメント、キャシーの元同僚や家族たちはイーストウッドや脚本家、オリヴィアを含め製作陣やキャストたちからキャシーに関する取材を受けていないと語っている。ちなみにキャシー本人は2001年に亡くなっていて真偽を確認することも、彼女自身が抗議することもできない。

新聞社が抗議していることが明らかになって以来、アメリカでは女性やジャーナリストたちから「ハリウッドは繰り返し女性ジャーナリストを性差別的な視線で描いてきた。これもその1つだ」と非難する声が上がり、ボイコットの動きも広まっている。今作はアメリカで今週末、日本では来年1月に公開される。アメリカの観客たちがどのような反応を示すのか、公開後の続報に注目したい。

最終更新:2019/12/12(木) 22:22
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