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「LGBT配慮はもはや先進的ではない」。経産省のトイレ使用制限、性同一性障害の女性職員が国に勝訴(判決詳報)

2019/12/12(木) 22:17配信

ハフポスト日本版

「男に戻ってはどうか」発言も違法と認定

女性職員は、職場との話し合いの際に上司らからハラスメントに当たるような発言があったと主張。精神的に追い詰められて抑うつ状態となり、約1年半の病気休職を余儀なくされたとして損害賠償を請求していた。

判決では、このうち「手術を受けないんだったら、もう男に戻ってはどうか」という発言について「原告の性自認を正面から否定するものであるといわざるを得ない」と指摘し、違法だと認定した。

一方、職場を異動した場合、戸籍の性別が男性であることをカミングアウトしなければ女性用トイレの使用は認めないとする発言については、「原告(女性職員)の異動については、実際にはほとんど具体化していない」として、人格権の侵害や】セクハラには当たらないとした。

「国は猛省を」

記者会見で、「当事者を勇気付ける内容の判決だった」と評価した女性職員は、「待っているだけでは、状況は変わらない。変えるためのアクションを」と訴えた。

「自分自身もそうでしたし、おそらくだと思うんですが、何かアクションを起こさないと、何も変わってくれないというのが現実の世の中ではないかなという風な気がします。ですので、すぐには変えられないかもしれないけど、変えるために何かアクションを起こす。その第一歩を歩んでほしいという風に考えております」

日本では、2003年に作られた特例法により、戸籍上の性別を変更するためには、性別適合手術を受けることは要件の一つとされている。女性職員は健康上の都合で、性別適合手術を受けることができなかったため、戸籍が男性のままになっている。

山下弁護士は「法律上の性別が変えられずに、社会生活上、職場や学校、アパートを借りるときなど色々な場面で困難を抱えている当事者がいる」と指摘。

今回の判決について「性の多様性が言われるが、本当に一人一人の多様性を尊重した判決であると思います」と強調し、「国には強く猛省を促したい」と述べた。

経産省は判決に対し、「一審で国の主張が認められなかったと承知しています。控訴するかどうかは判決を精査した上で関係省庁とも相談の上、対応することとしたい」とコメントを発表した。

中村かさね・坪池順

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最終更新:2019/12/13(金) 12:36
ハフポスト日本版

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