ここから本文です

「報道と情報バラエティの境界が曖昧」「アンテナの感度が著しく欠如」BPOが投げかけた番組制作現場の課題

2019/12/12(木) 14:37配信

AbemaTIMES

 「時代の課題へのアンテナの感度が著しく欠如しており、人権を尊重すべき放送局としては、深刻な問題と言わざるをえない」。BPO(放送倫理検証委員会)は10日、読売テレビの報道番組『かんさい情報ネットten.』が放送したコーナーに対し、「放送倫理違反」との判断を示した。

【映像】テレビ番組で性別確認 放送倫理違反に

 問題となっているのは、今年5月に放送された番組内のコーナー「迷ってナンボ!大阪・夜の十三」で、飲食店から「男か女か分からない客がいる」との話を聞いたお笑いコンビが一般人の身体を触るなどして性別をしつこく確認。「失礼かもしれないが、性別ってどっちなのかな」「お兄さん今さ、財布に免許証とか入ってる?」と話しかけたVTRで、スタジオのコメンテーターが「個人のセクシュアリティに踏み込むべきではない」「こんなのよく放送したな」と怒りを露わにする場面も見られた。

 10日に公表されたBPO意見書によると、チェック体制がプロデューサー1人だけであり、本人が放送を承諾したのかディレクターに対し2度にわたって確認したものの、性的指向を確認すること自体の問題まで意識が及ばなかったこと、また、「メインキャスターも解説デスクも、質問がしつこく、踏み込んだ内容だが本人の同意は取れているのかと疑問を持った。しかし、性別確認などが性的少数者やLGBTの問題となる点は、明確な認識がなかった」と指摘。そして“テレビ局の人間”という特権意識が取材対象者に対する思いやりやリスペクトを失わせたのではないかとしている。

 会見に出席した委員長の神田安積弁護士も「性的少数者の人権や当事者の社会的困難への配慮が議論されている時代に、最も感性が鋭敏であるべき放送が著しく配慮を欠くやり取りを放送した点で看過できない問題がある」と説明した。

 また、BPOは報告書で、近年、報道番組と情報バラエティ番組の境界が曖昧になっている危うさがある、とも指摘。「「報道道番組」であるうちは、プライバシーの尊重、人権意識や事実を確かめる裏取りといったことについて神経をとがらせていたチェック体制が、「情報バラエティー番組的」になったからといって、軽んじられていいはずはない。逆に、政治や社会問題を扱うようになった「情報バラエティー番組」においても、「報道番組』」同様の、深い問題意識やチェック体制は必要であろう」と提言している。

 意見書を受け、読売テレビは「BPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組作りに生かしてまいります」とコメント。また、当事者のsabuchanさんは「ワンちゃんと一緒にテレビに出られて良かったが、意図しない形で大騒ぎとなり出演者やスタッフ、お店の方に迷惑をかけてしまった」、さらに「保険証を見せたり胸を触らせたのは、僕が面白くしようとして提案したことだったが、それが重大な問題点として挙げられていて責任を感じている。申し訳ない」と話している。

1/2ページ

最終更新:2019/12/12(木) 16:44
AbemaTIMES

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事