ここから本文です

「中学教師から性被害」訴えた女性の控訴審、教師側「証拠」に傍聴人から漏れた「ひどい」の声

2019/12/12(木) 18:56配信

弁護士ドットコム

在校時から札幌市立中学の男性教師に性的被害を受けていたとして、フォトグラファーの石田郁子さん(42歳)が教師と札幌市を相手取り、損害賠償を求めた訴訟。控訴審の第一回口頭弁論が12月12日、東京高裁(後藤博裁判長)で開かれた。

一審の訴状などによると、石田さんが中学3年生だった15歳から、キスされるなどのわいせつな行為が始まり、大学2年生の19歳になるまで行為はエスカレート、2016年2月にはフラッシュバックをともなうPTSDを発症したと訴えていた。

しかし、被害から20年以上が経過していたことから、民法上の損害賠償請求権が認められず、「除斥期間が過ぎている」として、東京地裁は8月、石田さんの訴えを退けた。石田さん側は控訴。戦いがあらためて始まった。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●石田さんのSNSの英文投稿を自動翻訳、「気にいる」が「愛している」に?

法廷では、石田さん側と教師側でちょっとした問答があった。教師側が石田さんのPTSDやフラッシュバックを否定し、異性との交流が活発だったと証明するため、証拠として石田さんによるInstagramやFacebookの投稿を提出したのだ。

石田さんの投稿は英語で書かれていたため、「裁判所では、日本語を用いる」と定めた裁判所法74条に基づき、日本語訳されなければならなかった。しかし、一部は日本語訳もなく、一部については日本語訳があったものの、石田さん側から「自動翻訳されているために誤訳があり、まったく文章の意味が異なる」と強い抗議がされた。

口頭弁論後、石田さんは次のように説明した。

「例えば、海外の友人男性とのFacebook上の会話で、『君はきっと気にいるよ』というぐらいの意味の英語を、『君を愛している』というように、自動翻訳していました。しかし、実際の生活で男性とお付き合いするのと、SNS上で交流するのとでは、まったく違います」

しかし、教師側は自動翻訳を認めたものの問題ないとしたため、石田さんがあらためて自身のSNS上の英文投稿を「日本語訳」して提出することになった。法廷での問答の顛末を聞いた人たちからは、「ひどい」という声が異口同音に上がった。

次回口頭弁論は来年3月24日。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:2019/12/13(金) 10:39
弁護士ドットコム

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事