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[社説]基地返還、「汚染者負担原則」により米国が責任を負うべき

2019/12/12(木) 12:20配信

ハンギョレ新聞

 政府は11日、原州(ウォンジュ)と富平(プピョン)、東豆川(トンドゥチョン)にある米軍基地4カ所が直ちに返還され、龍山(ヨンサン)米軍基地は韓米間で返還協議の手続きを踏むことになった。今回、基地4カ所が返還されることにより、これで返還対象の米軍基地は22カ所が残ることになった。米軍基地が住民の手に戻ることになったが、基地内の環境汚染の浄化費用を事実上私たちが引き受けることになったのは非常に残念だ。米軍は「汚染者負担原則」により汚染浄化に責任ある姿勢を見せるべきだ。

 政府が基地内の汚染浄化費用1100億ウォン(約100億円)を引き受けて返還を受けることにしたのは、基地周辺の該当地域からの迅速な返還要請のためという。これらの基地は8~10年前に閉鎖されたが、両国間の基地内汚染の浄化責任を巡る意見の相違により返還が遅延していた。そのため、該当の地域では基地内汚染の拡散の可能性と開発計画失敗による経済的・社会的な困難をずっと訴えてきた。このような状況で、基地の早期返還を行うために政府が汚染浄化費用を引き受けるしかなかったという論理だ。政府は今後も米国側と汚染浄化の責任問題などを引き続き協議する方針だというが、これは外見を取り繕っているだけのように見える。

 米軍基地の環境汚染はかなり前から提起されてきた問題だ。先立って返還された米軍基地24カ所でも深刻な環境汚染が調査され、社会的に大きな議論になったが、米軍は一度も浄化責任を認めたことはない。米軍は一部の汚染事実を認めながらも「人間の健康に対して、広く知られ差し迫った実質的な危険」だけを治癒するという、いわゆるKISE原則(Known, Imminent, and Substantial, Endangerment to Human health)を掲げて抜け出たが、なんとしても責任を免れようとする稚拙な態度としかいえない。

 今回返還される富平の「キャンプ・マーケット」だけでも、2017年の政府調査で調査地点33カ所中7カ所の土壌試料から発ガン物質であるダイオキシン類が許容基準値である1000ピコグラムを超え、最高濃度は基準値の10倍以上であると明らかになったという。にもかかわらず、米軍に責任はないと言って居直るのは、韓国が在韓米軍に安保の相当部分を依存しているという弱点を利用して、いわゆる「カプチル(社会的強者カプ(甲)が弱者ウル(乙)に横暴を働くこと。パワハラに当たる)行為」をしているのだと見るしかない。

 山登りに行っても水遊びに行っても、楽しんで帰っていく時は自然環境を元どおりに戻しておかなければならないことはすでに常識だ。基地を使って環境汚染が発生したら「汚染者負担原則」によりきれいに浄化した後に返さなければならないことは言うまでもない。米軍の覚醒を求める。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/12/12(木) 12:20
ハンギョレ新聞

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