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「Grab」をスーパーアプリに変えたハイパーローカル戦略──2020年はAI戦略で企業価値2兆円越えか

2019/12/12(木) 5:30配信

CoinDesk Japan

多文化人材でグローバル視点と超・地域密着型アプローチ

グラブは現在、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジアの8カ国、330を超える都市で事業を進めており、「Grab」のダウンロード数は1億5200万を超える。研究開発(R&D)拠点は現在7カ所で、シンガポール、北京、インド・バンガロール、ベトナム・ホーチミン、クアラルンプール、ジャカルタ、アメリカ・シアトルにある。

創業者のアンソニー・タン氏は以前から、グラブはアメリカ市場などに参入する計画はなく、東南アジア域内のみで事業を進める方針を述べてきた。そして、グラブがこれまで同域内で事業を拡大する上で徹底してきた戦略の一つが、超・地域密着型(ハイパーローカル)アプローチである。

今回の取材でグラブは、グラブのアプリは共通した一つのアプリではなく、事業を行う全ての都市ごとにカスタマイズされたGrabアプリを作っていることを強調する。

カンボジアでは「Grabトゥクトゥク」、インドネシアは「Grabバジャイ」

例えば、配車サービスにおいてグラブが扱う交通手段は、東南アジア各地でその手段が違うように幅広い。カンボジアではバスやタクシーなどの交通機関が十分に整備されておらず、バイクと貨車を連結させた「トゥクトゥク(Tuk Tuk)」が今でも主要な移動手段の一つ。グラブは「GrabTukTuk」を同国で展開している。

インドネシアには「バジャイ(Bajaj)」と呼ばれる3輪自動車が走っているが、グラブがこれを「GrabBajaj」と名づけてローカライズ。同じく、フィリピンの街中を走る3輪自動車「トライク(Trike)」を対象に、「GrabTrikes」がある。

各地の法や規則の変化に対しても、グラブは感度の高いアンテナを張る。インドネシア・ジャカルタで2016年に、自動車のナンバープレートの末尾が偶数か奇数かで、市内の特定の道路を通行できる日を決める「ナンバープレート奇数偶数規制」が導入された時も、グラブは迅速に対応した。

「(奇数偶数制度が導入された時)即時に我々の地図上のアルゴリズムを変更した。おそらくグーグルがそれに対応するより早かった」(グラブ・担当者)

シンガポールでは、匂いの強いフルーツ・ドリアンを産地から自宅に配送するサービス「GrabDurian」も注目を集めた。

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最終更新:2019/12/12(木) 5:30
CoinDesk Japan

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