ここから本文です

構造的な欠陥を指摘する声も…フィンランドのベーシックインカム実験は失敗だったのか

2019/12/13(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

2017年、フィンランドはヨーロッパで初めて、政府が支援するベーシックインカムの実証実験を行った。

【全画像をみる】構造的な欠陥を指摘する声も…フィンランドのベーシックインカム実験は失敗だったのか

この実験は2018年12月に終了し、失敗に終わったと見なされている。

しかし、多くの研究者は、実験の構造に欠陥があったと言っている。

これはベーシックインカムの研究者たちが望んでいたニュースではなかった。フィンランドが2000人近くの失業者に毎月給付金を支給するベーシックインカムの実証実験を開始してから2年が経過した後、受給者の多くは失業したままだった。受給者は他の失業者よりも全体的に幸福で健康であると報告されたが、実験は失敗だったとみなされている。
「このベーシックインカムの実験にはがっかりさせられた」と、Jain Family InstituteのCEOであるマイケル・スタインズ(Michael Stynes)はBusiness Insiderに語った。

「しかし、この実験の結果はあまり役に立たない」

実際、多くのベーシックインカム研究者たちは、この研究の結論をゆがめている重大な欠陥を指摘している。

ブルッキングス研究所の研究者ジミー・オドネル(Jimmy O'Donnell)は、Jacobinへの寄稿の中で、いくつかの大きな問題を指摘した。

第一は、フィンランドの社会的態度の変化で、多くの政治家と有権者はベーシックインカムを貧困層の労働意欲を高めるための方法だと考えるようになった、と彼は述べた。これが第二の問題を生む。首相官邸が実験のために2000万ユーロ(約24億円)という限られた予算しか配分しなかったのだ。さらに、実験を迅速に実行に移したいという意向から、研究者たちは実験の設計を急がざるを得なかった。

実験を行った研究者は、当初1万人の参加を計画しており、月額約1000ユーロ(約12万円)の支給を検討していた。しかし2000万ユーロの予算では、それは実現できなかった。さらに厳しいスケジュールにより、チームは参加者を失業者に限定することを余儀なくされた。彼らはすでにそのグループの所得などの管理データを持っているからだ。

「彼らは非常に真面目な研究者だ。しかし、彼らは仕事を妨げられていた」とスタインズは言った。

1/3ページ

最終更新:2019/12/13(金) 8:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事