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【10リスト】KANA-BOON、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

2019/12/13(金) 12:00配信

rockinon.com

圧倒的なダンサブルさを発揮する面を持ちつつ、胸に沁みる抒情的なメロディの宝庫でもあり、豊かな発想力に裏打ちされたサウンドアレンジ、ウィットに富んだ言語表現、深いメッセージもあらゆる作品に刻みながら歩み続けているKANA-BOON。彼らについて語る上で欠かせない10曲を選んでみた。このバンドの作風の幅広さと、揺るぎない本質を再確認させてくれる曲たちだと思う。(田中大)

①ないものねだり
インディーズ時代から演奏していて、ずっと大人気。ダンサブルさとキャッチーなメロディが絶妙に融合しているという点で、後に繋がる作風の原型と位置付けることができるだろう。お互いに不満を募らせていて、気持ちがすれ違う状態に陥っているカップルの状態を、男女各々の心情を並列させながら描いている歌詞が非常に面白い。MVではチャーハンを作るシーンが出てくるので、この曲を聴くとチャーハンが食べたくなるというファンは多い。
2015年5月にリリースされたメジャー6thシングルの表題曲で、資生堂「アネッサ」のCMソングとして書き下ろされた“なんでもねだり”とタイトルが似ていることが気になる人もいるだろう。しかし、この2曲の間に、深い意味を持った繋がりは全くない。タイトルがなかなか決まらず、軽い冗談として出てきた“なんでもねだり”が、そのまま採用されたというのが真相だ。“ないものねだり”と“なんでもねだり”――ふとした瞬間にどっちがどっちだったかわからなくなる現象は、ファンの間ですっかりお馴染み。作詞作曲をした本人である谷口鮪(Vo・G)も、ライブのMCで言い間違えたことがある。

②さくらのうた
“ないものねだり”と並んで、現在もファンの間で深く愛されているインディーズ時代の曲。初の全国流通盤として2013年4月にリリースされたミニアルバム『僕がCDを出したら』のプリプロのためにスタジオに入っていた際に、あっという間に完成してしまったのだという。力強く躍動するほどに切なさが募っていく様が、とても味わい深い。少年的な瑞々しさを帯びている鮪の歌声の魅力も存分に活かされている。シングルのカップリング集『KBB vol.1』に収録されているアコースティックバージョンも素敵な仕上がりだ。
「“さくらのうた”を女性目線から描いてみたい」というアイディアを鮪は温め続けていたのだが、そのアイディアが形になったのが、2014年2月にリリースされたメジャー2ndシングル『結晶星』の3曲目“桜の詩”であった。この曲も併せて聴くと、“さくらのうた”の解釈を一層深めることができる。

③盛者必衰の理、お断り
前年に行われた「キューン 20 イヤーズオーディション」でグランプリに輝いたKANA-BOONが2013年9月、シングル『盛者必衰の理、お断り』でついにメジャーデビュー。特に表題曲のインパクトは強烈であった。圧倒的なダンサブルさ、大胆なリズムチェンジ、和を感じさせるギターサウンド、『平家物語』を彷彿とさせるユニークなタイトル、落語の演目「寿限無(じゅげむ)」の有名な一節を盛り込むというアイディア……個性的な要素は尽きない。この曲のリリースによって、KANA-BOONは一気に注目を集めるようになった。
歌詞の和的な要素に関しては、サビのメロディと共に早い段階から生まれていた《きりないないからええよもう》というフレーズから発展していったのだと、当時のインタビューで鮪が語っていた。バンドメンバーと一緒に仕上げていく過程で各々のアイディアがいろいろ加わった結果、サウンド面でも和的な風味が香る仕上がりとなったのだという。KANA-BOONメンバーたちのサウンドアレンジ力の高さが、この曲にはハッキリと表れている。

④フルドライブ
2014年5月にリリースされたメジャー3rdシングルの表題曲。「ダンサブル」、「BPMが速い」、「聴いているとテンションが上がる」というのが、メジャーデビュー直後のKANA-BOONの印象として特に強かったが、その決定打とも言うべき存在が“フルドライブ”であった。比較的シンプルなフレーズ、構成による曲だが、展開する毎に熱量が劇的に上昇していく。サビ終わりの度に鳴り響くギターのキメフレーズは、リスナーのアドレナリン分泌を加速するスイッチのような役割を果たしている……と言っても過言ではないだろう。
歌詞で描かれているのは、端的に言うならば「向上心」、当時のこのバンドのリアルな心情だったのだと思う。同世代のバンドに対しては「俺らが突破口を開く!」という気持ちであり、上の世代や他の業界で活躍している人々も追い抜くような存在になりたい――という旨を、この曲が完成した頃に鮪が語っていた。2015年1月にメジャー2ndアルバム『TIME』をリリース、同年3月23日に大阪城ホール、3月31日に日本武道館でワンマンライブを行うなど、この頃のKANA-BOONの快進撃は、まさしく“フルドライブ”のイメージそのものであった。

⑤シルエット
テレビアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』の主題歌に起用された楽曲。鮪は、「初めて作る主題歌は『ナルト』がいい」とずっと言っていて、他のメンバーたちも『ナルト』の原作コミックやアニメに夢中になりながら少年時代を過ごした。この曲の取材をした際、「夢が叶いました!」と、全員がとても嬉しそうだったことが懐かしく思い出される。4人が一丸となって「絶対に良いものにしたい!」という強い想いを込めた結果なのだろう。忍者の少年の成長を描いた『ナルト』と、音楽の道で戦うことを選んだKANA-BOONの姿が、驚くほど鮮やかにリンクした仕上がりとなっているのが“シルエット”だ。雄大に広がりつつも、どこか寂し気なトーンも帯びているバンドサウンドが胸に沁みる。今後も間違いなく、彼らの代表曲のひとつであり続けるだろう。
大人になっていく過程で何かを見失ってしまったり、自分が何を求めているのかがわからなくなってしまったり――そんな悩みに直面する人は少なくない。切なさ、ホロ苦さも伴う「成長」というテーマを描いているこの曲の歌詞で、印象的なフレーズとなっているのが、《大事にしたいもの持って大人になるんだ》。成長する過程で出会った様々な人たちのシルエットを胸に刻みながら前進する姿が、“シルエット”を聴くとまっすぐに伝わってくる。

⑥talking
先述した「キューン 20 イヤーズオーディション」の同期であるシナリオアートとのスプリットシングル『talking / ナナヒツジ』。ふたつの表題曲の内、KANA-BOONが手掛けたのが“talking”。テレビアニメ『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』の主題歌だが書き下ろしではなく、原型はインディーズ時代から存在する。地元の大阪で活動していた頃、彼らは5ヶ月連続の自主企画イベントを行って、毎月作品を1枚リリースしたのだが、その中で生まれたのが“talking”であった。リメイクにあたって歌詞が少し書き換えられたが、もともと持っていた雰囲気はかなり踏襲されている。
前のめりな勢いで曲を展開させるのが彼らの十八番だが、“talking”はファンキーと言っても良いくらいの新鮮なニュアンス、いぶし銀のフィーリングを漂わせている。メンバー各々の楽器プレイの幅が広がった結果、バンドとしての表現力も急速に深まっていったのが、この頃のKANA-BOONだ。その成果は、翌年の2月にリリースされたメジャー3rdアルバム『Origin』でさらに開花することになる。

⑦Fighter
テレビアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のオープニングテーマ。「骨太」、「エネルギッシュ」、「雄々しい」という表現が、とてもよく似合う。「口ずさみたくなるリフ」、「弾いてみたくなるソロ」――というギターの存在感の大きさにも注目させられる。歌メロを浮き彫りにする縁の下の力持ちとしての役割をしっかりと果たしつつ、華やかなフレーズも随所で炸裂させるのが、KANA-BOON流のギターロックサウンドだ。“Fighter”は、まさしくその醍醐味を存分に体感させてくれる。
「自身の限界を定めずに戦い続けている人間の輝き」とでも言うべきものを描いているこの曲の歌詞は、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のイメージに沿っていると同時に、当時のKANA-BOONの実像でもあるのだと思う。シングル『Fighter』がリリースされたのは2017年3月。前年の夏フェスシーズンが終わった後、メンバーたちはキャンプに行って共に過ごしながら、バンドの現状や、今後の目標について深く話し合った――というエピソードを聞いたことがある。そこで4人が再確認し合った気持ちも、“Fighter”には込められているのではないだろうか。

⑧バトンロード
ナルトの息子・ボルトが主役のテレビアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のオープニングテーマ。2015年にリリースされた“ダイバー”は、映画『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』の主題歌だったので、KANA-BOONが『ボルト』の曲を手掛けるのは、この曲で2回目。
バンドと関係性が深い作品であり、メンバーたちの思い入れも強い『ナルト』関連の曲は、どれもKANA-BOONの本質を鮮やかに感じさせてくれる。“バトンロード”も、まさしくそういう存在だ。この曲で表現されているものを端的に言い表すならば、「生きる中で向き合わなければいけない迷い」とでも言うべきものだろう。「過ごしている毎日に、果たして何か意味はあるのか?」、「つらい現状、悲しい過去は、未来に進むための糧となるのだろうか?」――というのは、『ナルト』や『ボルト』でも描かれていることであり、KANA-BOONの様々な曲の中で掘り下げられているテーマでもある。ナルト、ボルト、KANA-BOONのメンバーたちと同じように、歯を食いしばりながら一生懸命に生きているあらゆる人にとって、“バトンロード”は心に響くメッセージソングとなっているに違いない。

⑨彷徨う日々とファンファーレ
メジャーデビュー5周年を迎えた2018年に、様々な企画が5シーズンに亘って展開。「シーズン2」として同年5月にリリースされたのが、夏をテーマにしたミニアルバム『アスター』であった。そのオープニングを飾っていたのが、“彷徨う日々とファンファーレ”。「夏がテーマ」ではあるものの、アウトドアでアクティブにハジケまくるようなニュアンスではなく、全体的に穏やかなムードを濃厚に漂わせているのが『アスター』の独特さだ。そういう中でもこの曲は、特に瑞々しい。
KANA-BOONの音楽の瑞々しさの源は、やはり鮪の独特な声質なのだろう。エネルギッシュなバンドサウンドの中で埋没しないパンチ力、骨太さをしっかりと帯びているものの、彼の声の全体像は「少年っぽさ」を醸し出す傾向が強い。このような歌声に似合うのは、抒情的なメロディだし、躍動感に満ちたメロディを歌ったとしても、そこには抒情的な風味が必ず添えられる。その結果、KANA-BOONは、「熱い昂揚感×キュンキュンする胸のときめき」という併せ技を、絶妙且つ自然な形で届けられるバンドとなることができたのだと思う。

⑩まっさら
2019年6月にリリースされたシングルのタイトル曲“まっさら”。テレビアニメ『さらざんまい』のオープニングテーマとなったこの曲は、「人間同士の繋がり」について描いている。一時的に誰かと共に過ごして心を通わせ合うことができたとしても、時間の経過、環境の変化、複雑な事情などによって互いの距離は、あっという間に離れていってしまう。一定の年齢を重ねた人ならば、そんな実例に心当たりがあるだろう。しかし、そのようなことが起こってしまう切なさを諦めて受け入れるのではなく、あらゆる出会いを全力で大切にし続けていきたいという願いが、この曲に耳を傾けると伝わってくる。
2018年にメジャーデビュー5周年を迎えたことで、活動の軌跡の中で繰り返されたたくさんの出会いと別れについて、彼らは改めてじっくり考えたに違いない。そんな中で抱いた感情が、“まっさら”には刻まれているのだと思う。躍動感に満ちたサウンドは、未来に向かって力強く進んで行こうとする意志の表れとして受け止めることができる。避けられない変化を経たとしても心を込めて音楽を届けることを決して忘れず、広い世界へと足を踏み出していくKANA-BOON――そんな姿も思い浮かべることができるこの曲は、彼らが活動を重ねる毎にリスナーの胸の内で存在感を増し続けていくのではないだろうか。

rockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

最終更新:2019/12/13(金) 14:14
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