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芸能人の逮捕・起訴相次ぐ~違法薬物は「他者危害」

2019/12/13(金) 11:40配信

ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(12月12日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。違法薬物の蔓延について解説した。

若者が簡単に違法薬物を入手できてしまう現状

2019年は違法薬物の所持、使用で多くの芸能人が逮捕・起訴され話題を呼んだ。近年ではSNSでの薬物取引も問題視されており、若者が簡単に違法薬物を入手できてしまう現状がある。そのことについて、佐藤優が規制という切り口から意見を述べた。

森田耕次解説委員)2019年は違法薬物で逮捕・起訴される芸能人が相次ぎました。3月にはミュージシャンで俳優のピエール瀧、5月に元KAT-TUNの田口淳之介と女優の小嶺麗奈、11月には女優の沢尻エリカ、元タレントの田代まさしといった各被告が違法薬物で逮捕・起訴されました。記憶に新しいのが沢尻エリカ被告です。合成麻薬MDMAを所持していたということで、麻薬取締法違反容疑で逮捕されました。沢尻被告は逮捕後、警視庁の調べに対し「10年以上前からMDMAやLSD、大麻、コカインを使用していた」という趣旨の供述をしています。違法薬物使用はもちろん、所持だけでも犯罪になるということですよね。

違法薬物は「他者危害」~自己責任では終わらない

佐藤)これは最近大学生と話してみて、「率直な意見を言ってごらん。違法薬物ってどうしていけないのだと思う?」と聞いたら、「とりあえず法律で決まっているからだけれども、別に自分がひどい目に遭うわけだから、自己責任だからいいんじゃないか」という議論をする学生がときどきいます。それは違うのです。確かに近代における自由というのは何をやってもいい、人から見て愚かだと思うようなことでもやっても構わないのだというものです。例えば私は猫が好きなので野良猫を保護することがありますが、人によっては一生面倒を見るとなるとエネルギーもかかるし、お金だってかかります。それだったら寄付で慈善事業に使えばいいじゃないか、と言われても、それは愚かなことをする権利だと。憲法では、「愚行権」というと聞こえが悪いから「幸福追求権」つまり国家の幸福や社会の幸福ではなく各人の「幸福追求権」なのですよ。ただし、「愚行権」が認められない唯一の場合があって、それは他者危害なのです。ですから、自分は拳銃を撃つのが趣味だからといって、人を撃つのはだめでしょう。それは犯罪ですし、なぜそれが犯罪かというと危害を加えるからです。覚せい剤の場合は、そこのところから妄想が出てきて人を攻撃することが証明されています。それは他者危害なので、自分の身がボロボロになるだけでは済まない話ですよね。大麻やMDMAについてはいろいろな議論がありますが、いままでの研究の結果によってはより強い刺激を求めて覚せい剤に流れていくことが非常に多いわけです。そこの入り口で止めておくということには合理性があって、人に危害を加えないということだと思うのですよ。そして、売る方に対する取り締まりを本当に厳しくしないといけないのですよね。薬物で捕まっている人は、依存症になっているのですよ。本人の意思ではやめられなくて、ドーパミンが出て気持ちがよくなってしまっているから、どうしても手を出してしまう。依存対策のプログラムもきちんと組まなければいけません。

森田)学校などでの教育も重要になってきます。

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最終更新:2019/12/13(金) 11:40
ニッポン放送

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