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IPOを選ばなくなったスタートアップ

2019/12/13(金) 17:45配信

ITmedia ビジネスオンライン

 時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。

1回の資金調達規模が1億ドルを超える大型調達も珍しくなくなってきた(コーラルキャピタル資料より)

 「ベンチャーキャピタルのファンドの大型化と合わせて、IPOまでの期間の長期化が進んでいる」。そう話すのは、スタートアップ向けベンチャーキャピタル(VC)であるコーラルキャピタルの西村賢氏だ。

 2019年のデータを見ると、ファンド規模の大型化がよく分かる。米VCでは、1億ドル以上のファンドが半数近くまで増加している。その結果、スタートアップへの投資額も増加した。米国では1回の資金調達額が1億ドルを超えた企業は200社以上となる見込みだ。

IPOをできれば遅らせたいスタートアップ

 投資額の増加とセットで、IPOを遅らせたいというスタートアップも増えてきた。

 「IPOは資金調達の一つの選択肢。特にマザーズのような市場に上場して、株価に一喜一憂したり、経営のコントロールが不安定になるのはいいことではない。IPOを喜ぶかどうかは、創業経営者がいるかどうかくらい。我々はIPOをしない選択肢を取っている」と、マーケティングプラットフォームb→dashを提供するフロムスクラッチの矢矧利太郎COOは話す。

 経営のコントロール権を維持したい、またストックオプションの活用も含め、社員のインセンティブを維持したい。そうしたニーズが背景にある。

 同じくクラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRも、非上場を選択している一社だ。「IPOは目標ではなく成長のための手段の1つ。早いほどいいわけではない。SaaSのビジネスは初期にお金がかかり赤字になりやすい。IPOしたあと、『赤字でしょ、あの会社』といわれて、外からの影響が大きくなってしまう。中期的な成長を考えると、(VCなどから)資金調達をして伸ばしたほうがいい」と、同社CFOの玉木諒氏は言う。

 世界中でも、創業からIPOまでの期間は長くなってきている。10年前の09年は平均で7年少々だったが、19年は9.3年まで伸びた。上場までの間に調達した資金も、年々増加しており、19年は平均で2億6700万ドルに達している。10年前の実に7倍だ。

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最終更新:2019/12/13(金) 17:45
ITmedia ビジネスオンライン

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