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欧州の美食市場に挑む富山の「21世紀干し柿」

2019/12/13(金) 20:05配信

日本食糧新聞

素朴だが濃厚な甘みと独特の食感で古来日本で愛されてきた干し柿。その中でもブランド干し柿といわれるもののひとつが富山特産の「三社柿の干し柿」だ。
富山県南砺市の東太美干柿委員会では、この三社柿(さんじゃがき)の干し柿を使い、干し柿産地における課題であった「販売できる時期が限定される」「現代の住環境では長期保存が難しい」「販路が限られている」といったことをクリアする、新しいかたちの干し柿『賽子(さいころ)』を開発した。

ブロック形の美しさが印象的な干し柿加工品「賽子」

「21世紀干し柿」と銘打って2019年春から販売が始まった『賽子』を、筆者が手にしたのは同年8月。通常なら干し柿が最も品薄になる時期だ。ただ、蒸し暑い日本の夏には干し柿の食味は合いにくいことや、「柿は秋のもの」というイメージもあり、正直それほど期待はしていなかった。

ところが、パッケージを開けたとたん、まずそのビジュアルに瞠目することになる。レンガを思わせるずっしりとした質感と焦げ茶に近い橙色の中に浮かび上がる白い線が織りなす不思議な模様。美しさのインパクトから味への期待が一挙に高まった。

三社柿の干し柿の特徴を生かしつつ長期保存を可能に

『賽子』は、南砺市の特産である三社柿を用いた干し柿を原料に、へたや筋、種などを取り除いて圧縮し、1個700g~750gのブロック状に固めた商品。長期保存が可能で、三社柿の干し柿が出回らない時期も含め、通年販売される。

干し柿の加工品としては、岐阜名産の柿羊羹のほか、最近では『賽子』と似たタイプの商品もできてきた。しかしながら1個の重量がこれほどある商品は珍しい。

閉園した東太美保育園の建物を南砺市から借り受け、『賽子』をはじめとする三社柿の干し柿の加工品を開発・生産している東太美干柿委員会の代表・鵜野宏嘉さんによれば、「三社柿は渋みが強く緻密な肉質の大きな渋柿です。これを丁寧に干し、「手揉み」といわれる伝統技法を加えることで肉厚でしっとりした味わいの干し柿になります。この肉厚な干柿でないと『賽子』のような形状には作れません」とのこと。

重量のあるブロック形は、干し柿自体の大きさ、厚みなどを生かしたスタイルだったのだ。

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最終更新:2019/12/13(金) 20:05
日本食糧新聞

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