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ハッブルが捉えた太陽に最接近する前と直後の「ボリソフ彗星」

2019/12/13(金) 21:01配信

sorae 宇宙へのポータルサイト

人類の観測史上2例目となる恒星間天体であり、観測史上初の恒星間彗星でもある「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。去る12月8日に太陽へと最接近する前と直後のボリソフ彗星を、「ハッブル」宇宙望遠鏡が捉えました。

■最接近前の11月16日と直後の12月9日にそれぞれ撮影

最接近のおよそ3週間前となる11月16日に撮影された画像では、はるか遠くにある渦巻銀河「2MASX J10500165-0152029」とボリソフ彗星が並んで写っています。このときボリソフ彗星は、地球からおよそ3億2600万km(約2.18天文単位)離れたところにありました。ハッブルは高速で移動するボリソフ彗星を追跡しながら撮影していたため、銀河の中心核が短い棒状にブレて写っているのがわかります。

続く画像は、太陽への最接近直後となる12月9日に撮影されています。このときのボリソフ彗星は、地球からおよそ2億9800万km(約2天文単位)の距離にありました。NASAによると、最接近時のボリソフ彗星の速度は時速約16万km(秒速およそ44.7km、東京=大阪間を400kmとすれば9秒程度で通過)に達したようです。

ハッブル宇宙望遠鏡による観測によって、ボリソフ彗星の核のサイズが明らかになってきました。今年8月の発見から間もない頃には10kmを超えるとも言われていましたが、David Jewitt氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)は直径を1km未満としています。ボリソフ彗星の正確なサイズを知ることは、恒星間彗星の総数や質量を推定する上で役立ちます。

このあとボリソフ彗星は12月下旬に地球からおよそ2億9000万km(約1.94天文単位)のところまで近付きます。その後は太陽系の外へと向かって飛び去り、戻ってくることはありません。

ボリソフ彗星の組成は太陽系の彗星に似ていることが観測結果からすでに判明していますが、今後地球から遠ざかって見えなくなるまでの間にボリソフ彗星から得られる観測データは、恒星間天体に関するさらなる知識を人類にもたらしてくれるはずです。

松村武宏

最終更新:2019/12/13(金) 21:01
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