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「バカにしてるんですか?」ひらがなだけのツイートが炎上した理由と日本の未来を考えた

2019/12/14(土) 7:00配信

withnews

今年の秋、台風がいくつも日本列島を襲いました。その中でも、大型で非常に強い台風として、最大級の警戒が呼びかけられた19号について、あるツイートが注目を浴びました。日本人が持った違和感の理由と、そのツイートに込められた「やさしい」理由について、考えました。(朝日新聞編集委員・真鍋弘樹)

【やさしい日本語で読む】日本人にも「わかりやすい!」この記事をやさしく「翻訳」してみました

「たいふうがきそうです」

注目を浴びたのはNHKのツイッターの公式ニュースアカウントが、外国人向けに警戒を呼びかけたツイートでした。


 ◇ ◇ ◇

【がいこくじん の みなさんへ】
たいふうが つぎの どようび から にちようび、とうかいちほう や かんとうちほう の ちかくに きそうです。

とても つよい かぜが ふいて、あめが たくさん ふるかもしれません。きをつけて ください。

 ◇ ◇ ◇

このツイートは広く拡散されましたが、批判の声も集まりました。


《翻訳機能があるから普通に日本語か英語で打った方が良かったのでは》
《なんですか、これ。外国人の方々をバカにしているんですか?》
《ひらがなで書いても全く意味はない。少なくとも十数種類の言語で書く必要があると思います!》
《各国語でツイートした方が100倍良い ただの「いい人アピール」はいらない。》


すべてひらがなで書かれた文章を目にするのは、幼児向けの絵本ぐらいです。「がいこくじんのみなさんへ」と書かれているとはいえ、確かに日本語を母語とする人にとっては、かなり違和感があります。

実はこの文章は、「やさしい日本語」で書かれたものだといいます。そう、withnewsでも「やさしい日本語」についての記事をシリーズで掲載しています。

改めて考えてみると、最近よく耳にするようになった「やさしい日本語」って、いったい、何なのか。単に、「日本語を簡単にしたもの」ではないようですが……。

考え抜かれた文章の事情

「今さら聞けない」感もあるけれど、それでも改めて、第一人者に聞いてみました。withnewsの「やさしい日本語」記事の監修もしていただいている一橋大学国際教育交流センター教授の庵功雄さんです。

――最初にお聞きします。あのツイートについて、どう思いますか?  私たちが抱く違和感の正体は何でしょうか?

「ひらがなばかりの文章だということで、違和感を持つ人がいることは理解できます。本当は漢字仮名交じりにして、るびを付ける方がよかったのですが、それはツイッターではできません。一方で、読みを『かっこ』に入れると、コンピューターによる機械翻訳もできず、読みにくくなります。情報を発信した側は、いわば『確信犯』で、ひらがなばかりにしたのでしょう」

――「やさしい日本語」としては、これで合格点ということですか?

「外国人にも分かりやすい『やさしい日本語』としての書き方は、これでベストだと言えます。難易度の高い文型を使わない『文型制限』も守っています。一点挙げるとしたら、『(台風が)きそうです』という部分で、これは『やさしい日本語』ではあまり使わない文型です。ほとんどの場合、推測は『と思います』で表現することが可能ですから。しかし、災害の場合、『台風が来ると思います』では緊迫性を伝えられないという判断でしょう」

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最終更新:2019/12/14(土) 7:00
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