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安倍首相のインド訪問延期の背景にある差別と激戦

2019/12/14(土) 19:40配信

BuzzFeed Japan

安倍晋三首相が12月13日、近く予定していたインド訪問を延期することを決めた。インドのモディ首相と首脳会談を行うはずだったインド北東部アッサム州グワハティなどで、政府に対する大規模な抗議デモが激しくなっているためだ。

デモ参加者らが抗議する対象は主に二つ。宗教差別と、移民問題だ。

なぜこの時期に、暴力的なデモが噴き出したのか。そして安倍首相は、なぜ首都ニューデリーではなく、インド北東部に向かおうとしていたのか。【BuzzFeed Japan/貫洞欣寛】

「イスラム排除」への抗議と移民への反感がデモに

インドの国会は12月11日、国籍法の改正案を可決した。

これは、2014年末までにインドに不法入国したバングラデシュ、パキスタン、アフガニスタンの出身者のうち、ヒンドゥー教、シク教、仏教、キリスト教など6つの宗教の信者にインド国籍を与える、というものだ。

インドの与党・インド人民党は改正の理由を「3ヵ国で少数派として迫害され、インドに逃れてきた人々を救うため」としている。

寛大な措置のように見えるが、この改正案で対象とされていない宗教の信者達がいる。イスラム教徒だ。

「ヒンドゥー至上主義」

与党・インド人民党(BJP)は、イスラム教などを「侵略者の宗教」とみなし、ヒンドゥー教の伝統に基づいた国家建設を求める「ヒンドゥー至上主義」を軸とする政党だ。モディ首相も、BJPの支持基盤のヒンドゥー至上主義団体「民俗義勇団(RSS)」に8歳で加入し、生涯のほとんどを過ごした専従幹部だった。

インドは人口の8割がヒンドゥー教徒、イスラム教徒は1割強。残りはキリスト教や仏教、シク教などが占める。

モディ政権が2014年に発足して以降、ヒンドゥー教で神聖視される牛を食べたとして、イスラム教徒がリンチされ殺される事件が相次ぐなど、イスラム教徒排斥の動きが強まっている。

今回の改正案もイスラム教徒だけを対象から外していたことから、「政権の真の狙いはイスラム教徒の排斥と弾圧」という強い批判が、インド内外で起きた。

イスラム教徒の国会議員らは猛反発した。イスラム教徒を中心に首都ニューデリーなど各地で抗議活動が続いている。

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最終更新:2019/12/14(土) 19:40
BuzzFeed Japan

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