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「時間」と「成果」を考えると、仕事の生産性は劇的に高まる

2019/12/14(土) 8:20配信

LIMO

なんとかラクできないか?

 私はなんとかラクできないかと、そのサーバーがどのような物流に乗っているのかを調べてみました。すると、船積みから降ろされて保管される場所は、東京・大田区の平和島というところにある倉庫でした。そこでは検査員が、いったん段ボール箱の中身を開けて、サーバーの電源が入るかどうかをチェックしていました。

 そこで私は検査の担当者に会いに行き、とても簡略化したインストール手順書を手に、「ついで」の作業をお願いしたのです。

「電源のチェックのとき、このテープを入れて、リターンキーを押してください(当時の記録用メディアはDVDではなく、テープでした)。30分待てば、『End』と表示されますので、簡単です。よろしくお願いします」

 最初は協力的でなかった検査員も、何度も足を運ぶことで了承してくれました。ソフトがインストールされたサーバーは、その平和島の倉庫から、直接、顧客企業に輸送されるようにしたので、私は現地での設置指示をするだけでよくなったのです。

 これで、1週間のうち、2日分の仕事を浮かすことができました。検査員の30分の作業で、システムエンジニアの2日間の仕事を削減することができたのです。もちろん会社全体としても、利益になっています。

「成果の捉え方」で生産性は激変する

 これは、成果設定を変えることで、生産性が上がったという事例です。つまり、

[以前の成果設定]
・毎週、サーバーにソフトウエアをインストールして輸送する

[変更した成果設定]
・毎週、お客さまに、ソフトがすでにインストールされたサーバーを届ける

というように、成果設定を変えたということです。

 人は、ひとたび手段が目的になると、黙々と作業することに何の疑問も持たなくなってしまいます。たとえ多くの時間が使われていても、「これはムダではないか?」と気づけないわけです。

 以前は「サーバーへのインストール作業」という手段を仕事の目的にしてしまっていました。一方で、変更後は、成果設定における目的を「お客さまに届けること」にしたので、インストール作業自体は目標達成のための単なる手段となり、他者に30分だけ仕事を任せることで、2日間の仕事を削減するという大きな改善ができたのです。

 このように、「成果をどう捉えるか」によって、時間の使い方が変わり、仕事の生産性は大きく変わります。もしも成果の設定を誤ると、ムダな仕事につながってしまうこともある一方で、正しい成果設定をすれば、生産性が高まります。結果、ラクして達成するための近道となるのです。

■ 永谷 研一(ながや・けんいち)
発明家/行動科学専門家。株式会社ネットマン 代表取締役社長。1966年静岡県生まれ。1999年ネットマン設立。学校や企業の教育の場にITを活用するサービスのパイオニア。行動変容を促進するITシステムを考案・開発し、日米で特許を取得。アメリカでO-1ビザ(卓越能力者ビザ)が認められた。行動科学や認知心理学をベースに、1万5000人の行動変容データを検証・分析し、目標達成メソッド「PDCFAサイクル」を開発。三菱UFJ銀行、ダイキン工業、シミックHD、トリドールHD、日立グループなど130社の人材育成プログラムに導入される。また子供たちの自己肯定感を高める社会活動を行っている。4人の子の父。著書に『1日5分「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

永谷氏の著書:
『科学的にラクして達成する技術』

永谷 研一

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最終更新:2019/12/14(土) 8:20
LIMO

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