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サブタイトルで読み直す『いだてん~東京オリムピック噺』【田畑政治編】

2019/12/15(日) 6:00配信

オリコン

 NHKで1月から放送されてきた大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)』は、きょう15日(後8:00 総合ほか)放送の第47回「時間よ止まれ」(60分の拡大版)で完結する。土壇場で、制作統括の清水拓哉氏、演出の井上剛氏、一木正恵氏に集まってもらい、サブタイトルを切り口に全47回を振り返ってもらった。

【写真】前半の主人公・金栗四三(中村勘九郎)

▽第25回「時代は変る」

 金栗四三(中村勘九郎)は、自身3度目となる1924年パリオリンピックへの出場が決定。オリンピックが開催される年の春、田畑政治(阿部サダヲ)は東京帝国大学を卒業し、朝日新聞社へ入社する。1926年12月、大正天皇が崩御。元号は昭和へ。そして、田畑は高橋是清(萩原健一)に直談判し、アムステルダムオリンピックへの特別予算を手に入れる。

【清水】ボブ・ディランのアルバム『The Times They Are a-Changin’』の邦題から取りました。ポイントは、レコード発売当時の送り仮名「変る」。現在の送り仮名は「変わる」なので、各所から「間違っている」と指摘があったんですが、あえて当時の邦題のままにしました。

▽第26回「明日なき暴走」

 ブルース・スプリングスティーンのアルバム『Born to Run』の邦題。アムステルダムオリンピックで、初めて女子の陸上が正式種目に採用され、日本から女子はただ一人、人見絹枝が出場。800メートル走で銀メダルを獲得する。

【清水】演出を担当した大根仁さんは最初「ボーン・トゥ・ラン」と言っていたんですが、英語だとピンとこない人もいるだろうから、邦題にしました。「明日なき」というのが、人生を駆け抜けた人見絹枝さんにしっくりくると思いました。

【一木】絹枝役を菅原小春さんにやっていただきたいと思い、猛烈にオファーしました。俳優とは明らかに違うアプローチで、ストレートに表現してくれたことが、視聴者の感動を誘ったと思います。

【清水】全キャストの中で一番肉体的な説得力が求められた役だったと思う。菅原さんはまさに適任でしたね。

▽第27回「替り目」

 落語の「替り目」から。田畑のもとに前畑秀子(上白石萌音)をはじめ、全国から有望な水泳選手が集結。一方、四三は兄・実次(中村獅童)が急逝し、熊本へ帰ることを決意。主役交代だけでなく、ラジオの普及、神宮プールの完成、オリンピック招致構想にも、“替り目”を感じさせた。

▽第28回「走れ大地を」

 永田東京市長と治五郎が1940年の東京オリンピック誘致を掲げた矢先、1931年9月満州事変がぼっ発。一方、田畑はロサンゼルスオリンピックを盛り上げようと、全国から応援歌を募集。4万8千通の中から選ばれた作品が「走れ大地」。そのお披露目の日の5月15日、内閣総理大臣・犬養毅(塩見三省)が青年将校たちに殺害される「五・一五事件」が起きる。

【一木】オリンピック応援歌の発表会の裏で、五・一五事件が起きていたのは史実です。

【井上】犬養首相が青年将校たちに銃を向けられ撃たれる映像の裏で、「走れ大地」の歌声・歌詞が流れる、すごくシニカルなシーンでした。この回を皮切りに本当に僕らが『いだてん』でやりたかった事が続くんです。

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最終更新:2019/12/16(月) 23:25
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