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【漢字トリビア】「掃」の成り立ち物語

2019/12/15(日) 11:12配信

TOKYO FM+

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」今日の漢字は「掃く」、「掃除」の「掃(ソウ)」。(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年12月14日(土)放送より)

「掃く」いう字は手へんの横に、「箒」という漢字から竹かんむりをとった「帚(ソウ)」という字を書きます。これは、木の棒の先に細かい枝葉を付けて箒の形にしたものを表し、古代中国では、香りをつけたお酒をふりかけ、祖先の霊をまつる場所を祓い清めるのに使ったといいます。そこから「掃く」「掃除」の「掃(ソウ)」という漢字は、「はらいきよめる・はらう」という意味をもつようになりました。

日本でも、葬儀の際に箒で邪気を祓ったという記録や、妊婦のお腹を箒で撫でて安産を願う民間信仰があったといいます。神聖な道具に手へんを添えた「掃く」という字には、塵やほこりを払う以上の、特別な力が宿っていたのです。

ではここで、改めて「掃く」という字を感じてみてください。

掃除には、雑念であふれた頭をリセットし、穏やかなこころを取り戻す効果がある。そう説くのは、東京の神谷町にある光明寺の僧侶、松本紹圭(しょうけい)氏。松本氏は、自身の著書でこうも語っています。

―掃除をした場所は私の安心できる居場所となり、 自分自身の身体の空間が広がった感覚が養われます。今年一年、考えすぎたり悩んだり、頭の中は飽和状態。そんなあなたは今日から少しずつ、身の回りを掃いて、拭いて、整えてみる。それが習慣になってくる頃、身心ともに軽やかな、新しい一年が始まります。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。その想いを受けとって、感じてみたら……。ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献 『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)、『こころを磨く SOJIの習慣』(松本紹圭/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

最終更新:2019/12/15(日) 11:12
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