ここから本文です

相次ぐ災害夫婦で奔走 内助の功千愛さんに感謝状 市原署東国吉駐在所・西村稔巡査長

2019/12/15(日) 10:54配信

千葉日報オンライン

 警察官の中でも最も地域住民に身近な存在の「駐在さん」。9月から災害が相次いだ市原市で、市原署の東国吉駐在所(同市東国吉)に勤務する西村稔巡査長(29)は倒木撤去や竜巻被災地での街頭監視、冠水道路の交通整理などに奔走した。妻の千愛さん(28)も「内助の功」で夫を連日支え続け、県警から感謝状を贈られた。

 西村さんは同市北東部の地域を担当している。9月9日の台風15号では、倒木や電柱が倒れ道路をふさぎ、各所で通行が困難になった。のこぎりを持参し倒れた木や竹を切りながら、警ら用バイクで住民のもとを連日巡回した。台風直後の厳しい残暑に、千愛さんは「熱中症が心配だった」。

 周辺同様、駐在所も2週間近く停電した。給湯器が使えず冷水のシャワーを浴びたり、鍋でお湯を沸かし入浴する日々。千愛さんは、土鍋で米を炊くなど工夫して乗り切った。

 10月12日朝、受け持ちの永吉地区で竜巻により住宅が損壊。現場に到着した西村さんは、涙を流す住民に一言声を掛けることしかできなかった。被災者の多くは顔見知りで、そのうちの1人から「(被災地を)車を運転しながらスマートフォンで動画撮影する人がいる」との訴えがあった。西村さんは、興味本位の撮影を控えるよう依頼するなど、街頭監視を通じて被災者に寄り添った。

 故障していた給湯器が直り、ようやく家族が日常を取り戻した直後の同月25日、豪雨により駐在所は最大の危機に見舞われた。目の前の道路が冠水し乗用車が水没、幸い運転の男性は無事で駐在所に避難させた。しかし、事務室が浸水したため、男性を居室に上げ千愛さんが食事などを提供した。水に漬かりながらの交通整理や土砂崩れ現場に向かう夫に代わり電話対応にも追われた。

 千愛さんは「ここまで浸水するとは思わなかった」と振り返る。在宅していた幼稚園児の長男(6)に、空気を入れた浮輪を着けさせたという。小学1年の長女(7)は近所の知人が学校から連れてきてくれた。

 「地域住民と良好な関係を築き地域警察活動の推進に寄与した」として、県警は千愛さんに小見川裕地域部長の感謝状を贈呈。夫と苦労を共にした千愛さんは「すごくうれしい」と喜んだ。

 2011年9月の着任以来、地域の安全安心に力を注いできた西村さん。「住民と自分の家族を含めて、命を最優先に動かなければならないことを学んだ」と強調。「地域に支えてもらいありがたかった。勇気づけられながら仕事に取り組んだ」と住民に感謝し、最愛の妻にもねぎらいの言葉をかけた。

最終更新:2019/12/15(日) 10:54
千葉日報オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事