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教員の残業、月45時間以下に 「業務は減らない」学校現場戸惑いも 佐賀県教委方針、4月から

2019/12/15(日) 11:54配信

佐賀新聞

 佐賀県教育委員会は県立校教員の働き方改革の一環で、時間外勤務(残業)の上限を月45時間以下とする方針を策定した。文部科学省の指針に基づく措置で、来年4月からの運用を目指している。上限を設けることで長時間労働を抑制する意識付けにつなげようとしているが、学校現場からは「教員不足を補い、業務量を減らさないと対応は難しい」という声も聞かれる。

 方針は11月中旬の県教委の定例会で報告された。上限は校長や教頭、教諭に加え、実習助手らも対象になる。在校時間や校外での活動時間を「勤務時間」と位置付け、残業を月45時間、年間360時間を超えないことを目安にした。修学旅行の引率などは除いている。学校で重大な事故が起きるなど特別な事情で勤務が生じた場合は、月80時間以上、年間720時間以上にならないように定めた。

 校長には、土日や祝日に教員が校外研修をしたり、部活動で引率したりした場合、報告書などを基にして勤務時間を把握する努力も求めている。こうした方針を参考に、市町教委も本年度中に方針を策定する。

 学校現場からは「長時間労働を見直すきっかけにはなる」と一定評価する声がある一方、業務自体が削減されるわけではないため、実効性を疑問視する意見もある。ある高校教員は「3年生の補習は毎日2時間。どこを削ればいいのか不安がある」と口にする。運動部を指導する別の高校の教員も「佐賀での国民スポーツ大会に向けて強化を求められる中、部活の時間を減らすのは厳しい」と話す。

 勤務時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入を柱にした改正教職員給与特別措置法(給特法)は今月4日、参院本会議で可決され、成立した。繁忙期の勤務時間を延長する代わりに、夏休み期間の休日を増やす運用が自治体の判断で可能になり、残業の上限を月45時間とする文科省指針を法的に位置付けた。

 県教職員労働組合(佐教組)は、教員不足で労働過多になっているとして「業務が減らないことには、残業に上限を設けても絵にかいた餅になりかねない」と指摘する。変形労働時間制についても「長時間勤務の現状をごまかすような手だて。数カ月後にまとめて休めるとしても、疲れはその日のうちにとらないと意味がない」と反発している。

最終更新:2019/12/15(日) 12:09
佐賀新聞

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