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日韓首脳会談、3点セットで包括合意か 拭えぬ文政権への不信感、決着先送りも

2019/12/17(火) 7:12配信

47NEWS

 無理に法制化を進めれば国内の反発は必至で、来春の総選挙を前に文大統領の支持基盤が割れる恐れがあるため、今後の作業は難航が予想される。

 日本側からすれば、そもそも議長案の内容には問題が多い。慰謝料や慰労金の支給対象として、これから日本企業を提訴する人を含めて約1500人と想定。計300億円近い資金が必要だとしているが、この人数で終わる保証はない。

 仮に日本側の負担を半額の150億円と試算しても、これだけの寄付が自発的に集まるのか疑問だ。安倍首相の支持層も黙っていないだろう。

 慰安婦財団を土台にして、基金を管理する財団を創設するのも問題だ。議長案は、日本政府が支出した10億円の残額5億円も元徴用工救済に充てるとしており、これだと日本政府が事実上の賠償金を払うのと同じになる。

 これらの問題がクリアされず、日本の意向が反映されないまま文議長案が立法化されても、日本がそのまま受け入れるのは難しいだろう。反動として韓国の反発が強まり、日韓関係の亀裂はさらに深まりかねない。

 しかも、ここにきて日本が韓国への不信感を強める動きが相次いだ。文大統領側近の大統領補佐官が4日、韓国内での国際会議で「このまま在韓米軍が撤退したら、中国が韓国に『核の傘』を提供するのはどうか」と述べたのだ。

 米韓同盟を破棄し、事実上の中韓軍事同盟を視野に入れているとも受け取れる発言で、日本政府は「看過できない」(外務省幹部)として真意の確認を急いだ。

 さらに韓国政府は、SNSの公式アカウントで、「旭日旗は憎悪の旗」との発信を開始。茂木敏充外相は「極めて残念」と抗議したが、対応に変化は見られない。

 ▽自民党内に拙速批判も

 日韓両政府は首脳会談の最大限の成果として①文議長案で元徴用工問題を解決②日本が韓国をホワイト国に再指定③韓国はGSOMIAを1年延長―の3点セットでの合意を想定する。さらに文大統領の東京五輪出席と、日中韓首脳会談に合わせた安倍首相の訪韓によるハイレベル往来の推進と、観光など人的交流の拡大でも一致したい考えだ。

 だが安倍政権内には、さまざまな懸念が解消されず、韓国への不信感も募る中で全面的な解決を図るのは、自民党を中心に「拙速すぎる」(中堅)との声が少なくない。

 結局、首相官邸内で慎重論が強まり、首脳会談は早期の包括的解決に向けた対話加速で一致という「玉虫色」の合意に終わる可能性もありそうだ。

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最終更新:2019/12/17(火) 23:08
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