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プロが教えるクジラ肉の選び方 くせや風味、種類で違い

2019/12/17(火) 16:54配信

みなと新聞

 31年ぶりに商業捕鯨が再開されたことを受け、鯨肉が注目を集めている。鯨肉にはミンク、ニタリ、イワシなど複数の種類があり、味や風味も多種多様。鮮魚店泉銀(千葉県浦安市)の店主で、ロックバンド漁港のボーカルとしてのマイクパフォーマンスでも人気を誇る森田釣竿氏は「商材を良さを伝えるには、消費者に長々難しく話しても仕方ない。分かりやすい“パワーワード”が大切」と力説。そんな森田氏の寸評を中心に、鯨の種類ごとの特徴を紹介する。

こくと風味のニタリ

 今年、供給量が増えたことで鯨肉の主役に躍り出たニタリ鯨については「ひと言で表すなら『こくと風味』の鯨」(森田氏)。こくの秘密は脂のりの良さだ。かつて癖の強さが指摘された同種だが、近年は処理技術向上で一変。今や「臭いは全くない。飲食店や一般客から(昨年まで主力だった)イワシ鯨以上との評価も多く聞く」(同)。

 鯨肉専門店の鯨の登美粋(東京都中央区)も「ニタリは処理が変わってから全く別物になった。臭みや鉄っぽさが消え、独特のうま味がある」と絶賛する。

 一方、九州や山陰では「ニタリ鯨はドリップが出やすく食味が落ちやすい」との声が根強い。商業捕鯨を行う共同船舶(東京都中央区)も「商業捕鯨で鯨体処理がスピーディーになった影響で、解凍硬直のドリップの危険は上がっている」と認める。

 ただ同社は「従来よりも時間をかけて解凍しドリップを防ぐのが大切。事前に脱気パックから出して肉への圧を避けつつラップと新聞紙にくるみ、肉全体の温度がじんわり上がるようにすると良い。試食で臭いという反応はまずない。鯨を食べたことがない人や鯨にうるさい人にもお勧めできている」と胸を張る。

 色味の落ちやすいニタリ鯨は、解凍後の保存方法も重要。登美粋は「色味を保つため、酸化させないのが大切。真空にしたり、サラダ油やドリップ自体につけたりして、空気に触れさせないと良い」という。

 ニタリの皮やウネスなどの白手物については「脂肪が真っ白できれいだが繊維が硬い。薄くスライスするのが大切。ベーコンなどはシャキシャキした食感になり、北海道の一部などで人気がある。あぶりを入れると脂の甘みもあり香ばしくなるため、串物での採用例もある」(共同船舶)。

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最終更新:2019/12/17(火) 16:54
みなと新聞

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