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結局、外国人が日本市場で働きたがらないわけって?

2019/12/17(火) 20:01配信

ファイナンシャルフィールド

誰もが知っている超高齢化社会。人口動態はそう簡単には改善できないため、当然考えられる施策とすれば、女性の登用、AIやロボットの活用と並んで外国人労働者の受け入れと活用です。ところが若年外国人はこのことをどうとらえているのでしょうか?

外国人の日本企業へのイメージは以前のまま

日本に留学している外国人留学生で、アルバイトをすることが前提の場合は、主にコンビニエンスストアや飲食店で仕事をしますが、短期語学留学や交換留学の学生は仕事をしていないため、母国に居たときの日本企業のイメージをそのまま引きずって来日します。

日本での働き方などを講義で聴いたり、実際に工場見学や企業訪問をして自分たちが現地で抱いてきた印象がそのとおりだと再認識するのです。

それは「働きバチ」、つまり長時間労働と終身雇用です。実は、すでに終身雇用は崩れている、労働力の流動化が加速しているとはいうものの、彼らの抱くイメージは以前のままなのです。

働き方改革が進んでいる、あるいは最近の時短とはいっても長時間労働を理由とした健康被害を企業に訴えた報道を耳にすれば、やはりそう簡単には変わらないのだという彼らのイメージを再確認させるだけになってしまい、日本で働くことを躊躇するどころか極端に敬遠しているというのが実際です。

少子高齢化が進む中、外国人労働力は貴重なはずだが

人口動態はそう簡単には変わりません。極端にいえば、明日から出生率が上昇したところで、生産年齢人口の増加につながるのは少なくとも20年後です。したがって、減少を続ける労働人口の対策として外国人労働力は必須だというのは明らか。

しかし、この事実と長時間労働というイメージからますます「日本で就職することは自分のキャリアに役立たたない。利用されるだけ」という彼らの思いは確固たるものになっています。

外国人留学生が「卒業しても日本で働きたい」となるには

そんな外国人留学生が「日本のユニークな文化をのぞきにくる」というだけではなく、「卒業しても働きたい」と思ってもらえるようになるにはどうすれば良いのでしょう。

筆者の経験から実感することは、「われわれからの積極的な交流・働きかけ」に尽きます。先日も大学入試で英語試験の共通化が白紙に戻るという驚きのニュースが報道されました。何年も英語を重視した学校教育を受けても、まだまだ英語でコミュニケーションをとることに躊躇している現状は変わりません。

4技能(聞く、話す、読む、書く、4つの能力)を伸ばすといいながら、結局「読み書き」重視、その中でも「読み」が中心なので、暗記するという自分の頭で理解する・覚えることが評価につながり、交流する時間があるならば黙々と自習をしたほうが進学に役立つ、という風潮はそのままです。

社会人の大事な基本スキルはコミュニケーションで、意見交換をして自分の考え方を更新するのは世界共通。手軽に情報が手に入るネットSNS社会でも、ナマの意見交換に勝りません。

母国語でないわれわれが、英語を母国語とする彼らよりもスムーズに話ができないことは自明のこと。議論が成立する基本の文法や語彙力が身についた時点で、積極的に彼らに関わり日常を感じてもらったり、意見交換したりすることにもっと時間を割かない限り、彼らのステレオタイプを変えることはできないといえるでしょう。

執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

ファイナンシャルフィールド編集部

最終更新:2019/12/17(火) 20:01
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