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地震で落下する「吊り天井」が命奪うことも...軽くて強くて柔らかい『膜天井』に注目

2019/12/18(水) 19:02配信

MBSニュース

多くの大型施設では屋根から天井のパネルを吊るす「吊り天井」が採用されています。簡単に施工できて、コストが安いなどの理由で普及していますが、地震が起きれば、パネルが落下する可能性もあり、その危険性が指摘されています。そうした吊り天井に代わる“安全な天井”を手がける世界的な企業が大阪にありました。

命を奪うこともある「吊り天井」

2011年に発生した東日本大震災。大きな揺れは関東にも襲い掛かり、東京都千代田区の九段会館では天井パネルが落下し、2人が死亡、26人が重軽傷を負いました。地震により各地の施設で天井が落下しましたが、これらの多くは「吊り天井」という構造でした。

「吊り天井」は屋根から天井パネルを吊るすことで空間を作り、天井裏に設置された配線や空調のダクトなどを隠すことができます。簡単に施工できて、コストも安いため、ホールや体育館など大型施設の多くで採用されてきました。

ところが、「防災科学技術研究所E‐ディフェンス」の実験を見てみると、耐震化していない吊り天井に震度6弱の揺れを加えると、天井のパネルが激しく揺れて、次々と落ちていきます。地震が起きれば大惨事に繋がる可能性がある「吊り天井」ですが、それに代わる新たな技術がいま注目を集めています。

軽くて強い「シート」 東京ドームやヤンマースタジアム長居で使用

開発したのは大阪市淀川区の「太陽工業」。

「1922年に創業されて、テントを扱っていて、ミゼットの幌を作り、船外カバーといったもので商いをしていた。」(太陽工業 村上祐一製品開発部長)

太陽工業にとっての大きな転機は1970年の大阪万博でした。軽くて強いシート技術が認められ、アメリカ館の屋根に採用されたのです。それ以来、建築材料として使えることが広く知れ渡り、日本初の屋根付き球場「東京ドーム」や「ヤンマースタジアム長居」など、多くの大型施設の屋根で使われてきました。海外でも高く評価され、アメリカの「デンバー国際空港」など、世界各国で実績を上げています。

実用化進む『膜天井』

そんな中、地震で多くの吊り天井が相次いで落下していると聞き、屋根のシート技術を天井に応用することを思い付いたのです。それが『膜天井』でした。この膜天井は、すでに実用化が進んでいます。

大阪府和泉市の「ららぽーと和泉」では、2014年のオープン時から、高さ約15mの天井には大きなシートが吊るされています。

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最終更新:2019/12/18(水) 19:02
MBSニュース

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