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【となりの外国人】「女の子は学校行かなくていい」 日本に暮らす外国人の子ども「檻」から上げた声 家庭に介入しにくい風潮、今も

2019/12/18(水) 14:03配信

withnews

女の子だから学校に通えない。日本に住み、これからも生きて行く外国ルーツの子どもたちの一部で、そんな問題が起きはじめている。一見すると、異文化だからこそ起きている問題のようだが、背景にあるのは、よい人と結婚し、家事をし、子どもを産み育て、家に尽くす――そんな親の価値観だ。支援者は「かつての日本も同じだった」と感じ、家庭への介入しづらさは今も変わっていないと指摘する。学ぶ機会に苦しむ外国ルーツの子どもや女性の現場をたどった。(朝日新聞記者、藤崎麻里)

【写真】「学校行くな」親に反対された子どもがスマホで撮りためていた日本の「心癒やすもの」……

散歩で撮る「日本の風景」

「みんな何者かになるために勉強しているんでしょう?」

千葉県に住むアフガニスタン人の女性(20)がくっきりした二重の目を見開きながら、こう話した。りゅうちょうなイギリス英語だ。イスラム教徒として髪を覆うためのスカーフはバーバリーのチェック柄で、乱れないようにしっかりピンでとめられている。

16歳のとき来日した。弟2人と同じように学校に行きたいと考え、妹とともに両親に「学校に行きたい」と伝えた。父は母を介して「ダメだ」と言った。

来日前はドバイで、パキスタンと英国系の学校に通っていた。父は、中学1年時点で学校をやめさせようとしたが、その時は祖母が「通わせてあげなさい」と間に入ってくれた。来日後も改めて祖母が言ってくれたが、父は頑として聞いてくれなかった。

父には、「日本の学校では教室に男女が共に座る」「女の子の制服のスカートが短すぎる」そんな理由を挙げられた。

日を置いて、改めて直接訴えた。父は怒って「学費が高いからダメだ」。妹と共に部屋にこもって泣いた。1~2カ月後、また訴えた。それでも父親の考えは変わらなかった。そして、その一カ月後も―。

来日前の14歳のときから妹とともに、一つ屋根の下で住んでいた家族と親族30数人分の食事の準備を任された。15歳のときには、30歳の男性とのお見合い話が持ち込まれた。ほかの女性の従兄弟たちと順番にアフガニスタンに住む祖父母の面倒を見るため一時帰国もしている。女性の役割として家を切り盛りすることだけが求められていると思う。

日本に来てからも学校に通わず、家族6人分の3度の食事の支度と食器洗い、掃除で一日が終わる。家事の合間には、インターネットで韓流ドラマや中国のドラマを見る。主役がイスラム教徒ではなくても、女性たち同士のおしゃべりがにぎやかで親近感がもてるからだ。モスクは遠くて行っていない。週末の楽しみはイオンで洋服や靴を見ることだ。ファッションが大好きで、スマートフォンのカメラは、日本で散歩中などに見て自分で撮ったきれいな風景や花の写真のほかは、ネットからダウンロードした気に入った服の写真でいっぱいだ。

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最終更新:2019/12/18(水) 16:56
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