ここから本文です

「せめて朝8時から夜10時に」長時間勤務、休日なし、低賃金…外国人技能実習生の闇

2019/12/20(金) 21:28配信

AbemaTIMES

 「日本で技術を学び、お金を稼いで帰国したい」という夢とともに来日した外国人技能実習生たち。その思いとは裏腹に、長時間勤務・休日なし・低賃金といった過酷な労働環境に苦しむ外国人技能実習生がいる。

【映像】過酷労働で川に身を投げた女の子も

 1993年に開始された「外国人技能実習制度」。国際貢献を目的として、企業や団体が途上国から外国人を受け入れ、雇用契約に基づき技能実習を行う制度である。期間は最長5年で、日本で学んだ技術を母国の経済発展に役立ててもらうために実施されている。

 中国出身の張さんと郭さん(※いずれも仮名)は技能実習生として来日したが、現在は岐阜一般労働組合が運営する「外国人労働者救済支援センター」で保護されている。なぜ、張さんと郭さんはシェルターに保護されたのだろうか。

 張さんと郭さんは同じ縫製工場で技能実習生として働いていた。当初は法律に定められた賃金を受け取れたが、徐々に給料の振込が遅れていった。「朝8時から午前0時まで働くのが当たり前で、残業により深夜2時や3時までかかることもしばしばあった」と述べる2人。労働時間もとても長く、食事の時間は10分程度で、水を飲むタイミングも朝昼の10分ずつに制限されていた。

 郭さんは「2日間連続(※睡眠時間なしの通し勤務)で働いたこともあった。2日目は多忙で食事の時間も取れなかった」と明かし、当時の実習先について「とにかく終わらせないと、休憩はありませんでした」と告白。2日間の中で、合計2時間ほどしか休めなかった。

 郭さんが実習先に「長時間は無理です。せめて朝8時から夜10時にして」と交渉すると、帰国の書類に無理矢理サインさせられそうになった。技能実習生の口から語られる実情について、タレントのSHELLYは驚きを隠しきれない。

 弁護士の加藤桂子さんは、外国人技能研修生制度・技能実習生制度問題に取り組むために立ち上げられた外国人技能実習生問題弁護士連絡会(実習生弁連)の一人として活動している。

 実習生弁連は「技能実習制度自体が人権侵害を引き起こす構造的な問題があり、廃止するべき」と訴え、外国人労働者からの相談を受け、必要に応じて裁判を起こすこともある。

 技能実習生の相談を受けたり、支援を行ったりする団体に「外国人技能実習機構」があるが、加藤さんは「実際はきちんと機能していない」と述べる。

 まず、外国人技能実習生は、母国の送り出し機関に約100万円前後を支払わないと来日できないケースが多い。外国人技能実習生それぞれの母国の平均賃金を考慮すると、これは莫大な額であり、ほとんどの外国人技能実習生は借金をして来日する。

 借金をし、技能実習生として来日すると、自由に転職ができない。技能実習生は、実習先でどれだけ不遇な目に遭おうとも、借金を抱えて帰国するか、耐え続けるかの二択しかないのだ。そんな事情につけ込み、不遇な条件で技能実習生を酷使し続ける事業者が後を絶たない。

 また、2019年4月に特定技能という新しい在留資格(※技能実習を終えた人は試験を受けなくとも、日本での在留資格を得ることができる制度)がスタートした。加藤さんは「これも技能実習生を縛る枷のひとつとなってしまっている」と説明。日本の在留資格を得るため、技能実習生が実習先で不遇な目にあっても、耐え続けてしまう。国も技能実習制度に問題があることは認識しているものの「技能実習という制度は維持する」というスタンスを変えない。

 働くアラサー女性のための情報サイト「ウートピ」編集長の鈴木円香さんは、加藤さんや技能実習生らの発言を踏まえ、表向きは途上国の発展への寄与を謳いながらも、実際は労働搾取が起こっている現実に言及。中小企業が苦境に立たされがちな日本経済の現状と重なることで「悲惨な現状が加速しているのではないか」と推測した。

(AbemaNews『Wの悲喜劇』より)

最終更新:2019/12/20(金) 21:28
AbemaTIMES

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事