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農業労働力 想定外の減 新たな人材どう確保 高齢離農響き7万人のずれ

2019/12/21(土) 9:03配信

日本農業新聞

 新たな食料・農業・農村基本計画の議論が進む中、農業就業者数の減少が課題になっている。農業就業者数は196万人で、現行計画の「農業構造の展望」の政府想定を7万人下回っている。高齢農家の大幅な減少が主因。農業法人の雇用者は想定以上に増えたが、他産業との労働力争奪戦で今後の雇用増はあまり期待できない。将来にわたって農業生産の維持に必要な労働力をどう確保するかが焦点になる。

 農業就業者数は、販売農家の世帯員のうち主な仕事を農業とする「基幹的農業従事者」と、農業法人と7カ月以上の雇用契約を結ぶ「常雇い者」(外国人技能実習生を含む)の合計。同省が農業の労働力を表すものとして5年に1度の農林業センサスを基に独自に算出している。

 最新の2015年の農業就業者数は196万人で、5年間で23万人減り、同年の政府想定を7万人下回る。79歳以下は想定より4万人多かったが、80歳以上が想定を11万人も下回ったためだ。

 一方、同省は、農業生産の維持に必要な農業就業者数を約90万人としており、現行の食料・農業・農村基本計画の「農業構造の展望」では、25年に69歳以下で101万人の確保を掲げる。

 69歳以下の農業就業者は10年で124万人。従来の減少傾向が続けば25年に87万人になる見込みだったが、毎年、新規就農者を倍増させて減少を抑える目標を立てた。15年時点では想定より1万人多い112万人で、同省は「新規就農の施策が一定効果を発揮した」(経営局)とみる。ただ、基幹的農業従事者は想定より2万人少なく、常雇い者が想定より3万人多く、常雇用の増加で補った形だ。

 今後、他産業との雇用の奪い合いが激化する可能性がある。実際、別の統計では17年に農業の常雇い者数は減少に転じており、農家の減少を雇用増で補い続けるのは難しい情勢だ。

 また、農業生産の維持に必要とされる90万人は、担い手に農地の8割の集積することを前提にしている。だが15年の集積率は52%、18年でも56%にとどまる。農地を誰がどう担い、労働力をどう確保するか。現場実態に即して構想を練り直す必要がありそうだ。

日本農業新聞

最終更新:2019/12/21(土) 9:03
日本農業新聞

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