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重要な条件は“駅から近い”だけじゃない! これから家を選ぶ時に大事にしたい“地盤の強さ”

2019/12/22(日) 18:05配信

FNN.jpプライムオンライン

家を建てたり買ったりする時、まずポイントとなるのが“立地”。「駅から徒歩5分」や「乗り換えなしで職場に行ける」、「スーパーやレストランが充実している」など、人によって条件はさまざまだろう。

地盤が強い・弱いはどう推測する?

一級建築士の井上恵子さんは、「立地を選ぶ上で、“災害に強い地盤であること”は大事な要素の1つです」と話す。どんなに便利な場所でも、地震や水害などの被害に遭い、命や財産を失ってしまっては元も子もないからだ。

そこで、“災害に強い地盤”を見極めるポイントを、井上さんに教えてもらった。

ハザードマップで「災害時のリスク」と「土地の成り立ち」を確認

「まずは、住む予定の地域をハザードマップで確認しましょう。2011年3月に発生した東日本大震災以降、大規模盛土造成地などの情報を公表する自治体が増えて、ハザードマップに掲載される情報が充実してきています。国土交通省が運営する『ハザードマップポータルサイト』の『重ねるハザードマップ』は、閲覧できる情報が豊富ですよ」

「重ねるハザードマップ」では、「洪水浸水想定区域」「土砂災害警戒区域」「道路冠水想定箇所」など、自然災害が起きた場合のリスクの情報を、1つのマップにまとめて表示できる。

「洪水、津波、豪雨による冠水といった水害や土砂災害に関しては、そのリスクがある土地やそこに建つ建物を買わないことが、最大の防災といえます。洪水による浸水のレベルなども表示されるので、土地や家の購入を考える時には必ず確認しましょう」

さらに、「重ねるハザードマップ」では、「活断層図」「明治期の低湿地」「大規模盛土造成地」といったその土地の特徴や成り立ちも、地図上で確認できる。

「家を建てる際に、『地盤』はとても重要なポイントです。土地の成り立ちを知るだけでも、地盤の強さは推測できますし、その土地に建てた家が自然災害に見舞われた時にどうなるか、予測することもできます」

「かつて水田だった土地」「谷を埋めた土地」は災害リスクが高い

どのような土地だと、地盤が弱いと推測できるのだろうか。

「かつて河川や沼、水田などの低湿地だった場所は、地盤が軟弱な可能性があります。地盤が軟弱な土地は、地震の影響で液状化が発生したり、地震の揺れが家に大きく伝わったりするかもしれません。谷や沢などの傾斜地に土を盛った古い造成地(盛土)は、地滑りなどの危険性があると考えられますね」

地盤がやわらかく、振動が伝わりやすいと、地震の際に家そのものが損傷するだけでなく、家具も倒れやすくなる。1995年1月に発生した阪神・淡路大震災においては、家具の下敷きになって亡くなった人も多かったという。

「家を建てる前に、より詳しく土地の情報を知りたければ、役所に行ってみるといいでしょう。役所には、過去のボーリング調査(地盤調査)のデータが蓄積されています。家を建てる予定の土地の近辺では、強い地盤が地表から何メートル下にあるか、地下水位が高いか低いかなど、地盤の状況を知ることができます」

井上さんはさらに「役所や役所のホームページでは、過去の水害に関するデータも閲覧できる」と、教えてくれた。実際に水害が起きた地域は、今後同じことが起こるリスクが高いといえるだろう。

「2000年に建築基準法が改正されて、『地盤の耐久力に合わせた基礎形状の指針』が定められました。その指針によって、基本的に家を建てる前には地盤調査を行い、地盤の強さに合わせて家の基礎を作っていくことになります。戸建て住宅では、『スウェーデン式サウンディング試験』という地盤調査をすることが一般的で、おおよその地盤の強さはそこでわかりますよ」

調査で地盤が弱いと判明した場合は、対策を施さなければならない。強い地盤に到達するほどの長い杭を打ち込む、やわらかい土に強固材を混ぜ合わせて地盤を強くするといった方法が考えられる。

井上さんに、「地盤が強い」と推測できる基準や成り立ちについても聞いた。

「地盤は深くなるほど固くなるので、山を切って造成した土地(切土)は、地盤が強いといえます。ただし、切土と盛土が混在している土地は要注意。災害が起きなくても、家が傾きながら沈む『不同沈下』が起こる可能性があります。家が傾くと、建付けが悪くなったり日常的に目まいがしたり、さまざまな支障が出てしまいます」

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最終更新:2019/12/22(日) 18:05
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