ここから本文です

大人気の「マヌカハニー」、その裏で起こっている騒動とは 商標登録巡り、NZと豪州で争いも【世界から】

2019/12/24(火) 11:42配信

47NEWS

 ニュージーランドのあるスーパーマーケットで初めて、棚にある同国原産の高級はちみつ「マヌカハニー」を買おうとする人は一様にびっくりする。中身が空なのだ。購入するためには、次のような手順を踏まなければならない。まず、空容器を持ってレジへ行き、支払いを済ませる。すると、事務所から中身の入ったマヌカハニーを出してきてくれるので、空容器と交換する―。

 何とも面倒だが、ここまで厳重にするのには理由がある。盗難防止だ。マヌカハニーはとても人気が高く、良質のものだと1キロ当たりで400ニュージーランド・ドル(約2万9000円)もする。日本のスーパーで良く目にするはちみつの多くが同じ1キロで1500円から3000円くらいなのでいかに高いかが分かる。あまりの高価さとはちみつそのものの色があいまって「リキッド・ゴールド」との異名を取るほどだが、ここまで高額になると本物のゴールドさながらに翻弄(ほんろう)される人間も出てくる。

 ▽約10年で売り上げ10倍

 マヌカは、ニュージーランド原産のフトモモ科ネズモドキ属ギョリュウバイ種の常緑低木だ。ちなみに、マヌカは先住民であるマオリの言葉だ。樹皮を煎じて解熱剤や鎮痛剤、下痢止めとして、燃やした灰は皮膚病にというように、木を余すところなく伝統治療に用いる。日本で「復活の木」や「癒やしの木」とよく言われるのは、こうしたマオリによる古来の利用法からきているのだろう。ウメを小さくしたような花を付け、これの花蜜からマヌカハニーを作る。通常のはちみつにはないメチルグリオキサラーゼ(MGO)という物質を含んでいるため、抗菌作用が非常に高いのが特徴で、炎症を抑えるほか、傷などを早く治すなどさまざまな効果が期待できるとして世界中で人気がある。

 マヌカ自体の数は限られ、開花期間は6~12週と短い。さらに近年はミツバチの数の減少や気候不順が影響し、生産量は頭打ちとなっている。

 一方、マヌカハニー市場は拡大の一途をたどっており、国内養蜂業界の代表組織「アピカルチャー ニュージーランド」によれば、昨シーズンの総輸出額は3億5000万ニュージーランド・ドル(約252億円)に上る。これは3600万ニュージーランド・ドル(約26億円)だった2006年と比較すると、驚くことに約10倍となっている。

1/3ページ

最終更新:2019/12/24(火) 11:42
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事