私たちの食卓を支える魚や昆布の漁獲高は、温暖化などが原因で年々減り続けています。そんな中、注目されているのが近畿大学の養殖技術です。これまで、マグロの完全養殖に世界で初めて成功するなどしていますが、最新の研究では、世界三大珍味の1つ「キャビア」の量産に繋がる可能性があるということです。
天然の水産資源に頼らないことをテーマに研究を進め、これまでにクエやブリなど18種もの魚を人工ふ化させ、成長させることに成功。
そんな近畿大学の最新の研究の1つが、『ウナギの完全養殖』です。ウナギは、乱獲により稚魚であるシラスウナギが獲れなくなったことで価格が高騰しています。
エサやふ化の条件など生態がはっきり分かっていないウナギ。近畿大学は2019年9月に養殖ウナギの受精卵を人工ふ化させ育てることに成功しました。4年後には安定したウナギの完全養殖を実現させ、将来的には安価に提供することを目指しています。
そして、もう1つ注目されている研究が、世界三大珍味の1つで高級食材である『キャビア』です。キャビアとはチョウザメの卵の塩漬けのことです。しかし、チョウザメは乱獲によって個体数が激減し、世界では絶滅の恐れがあるとして国際取引が条約で制限されています。
「チョウザメは世界的にも天然資源が枯渇状態にあって、ワシントン条約の対象種に全種類がなっています。」(近畿大学水産研究所 稻野俊直場長)
そこで近畿大学は、“ある特殊な方法”でキャビアを大量生産することを思いつきました。近畿大学水産研究所の稻野さんに案内してもらったのは…
「こちらが“全メス化”したチョウザメの水槽です。」(近畿大学水産研究所 稻野俊直場長)
和歌山県新宮市にある水槽で泳いでいる約100匹のチョウザメ。“全メス化”という通り、全てメスなのです。
「全部メスにしてしまおうという発想で、チョウザメに女性ホルモンを与えて、メスにしていったということです。」(近畿大学水産研究所 稻野俊直場長)
そもそもチョウザメはふ化後6か月まで性別が決まっていません。そこに着目した近畿大学は、ふ化して4か月のチョウザメ150匹に女性ホルモンを与えてみたところ、1年後、全てのチョウザメがメスとして成長したというのです。これにより、養殖キャビアの生産効率が飛躍的に上がる見通しです。
「エサ代などを合わせると全体的に25%くらいのコスト削減に繋がるという風に考えています。」(近畿大学水産研究所 稻野俊直場長)
私達の食卓を支える海産物。様々な技術の進歩によって、近い将来、天然ではなく養殖が当たり前となる日が来るかもしれません。
最終更新:2019/12/26(木) 15:59
MBSニュース



























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