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部活動も「量から質」の時代へ “社会で生き抜く土台”を作る短時間練習の極意とは?

2019/12/26(木) 11:30配信

REAL SPORTS

競技の垣根を超えて行われた「部活動サミット」の開催が注目を集めている。今年7月に行われた「第2回 部活動サミット」には、“ボトムアップ理論”で知られる畑喜美夫氏(一般社団法人ボトムアップパーソンズ協会・代表理事)や高校サッカー界の名将・平岡和徳氏(熊本県宇城市教育長/大津高校サッカー部総監督)が登壇し、高校生と熱く意見を交わした。「短時間練習」で結果を出す静岡聖光学院高校ラグビー部の選手たちが主体となって開催し、全国から部活動に関わる選手・監督が集結するこの活動を通して、“量より質”にシフトする部活動の未来を探る。


(本記事は、8月12日に『REAL SPORTS』で掲載された記事に一部、加筆・修正を行って掲載しています)

ブラック部活動からの脱却方法とは?

近年、部活動に向けられる目が厳しくなってきている。長時間活動による教員の過剰労働、パワハラ、体罰などから「ブラック部活動」という言葉も聞かれるようになり、学生スポーツのありかたについての議論が活発化。長時間活動を是正する流れが出てきており、2018年3月にはスポーツ庁が、義務教育である中学年代の部活動のガイドライン(『運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン』)を設定。休日は週に2日以上(平日1日、週末1日)、1回の練習時間は平日2時間、週末は3時間程度が望ましいと発表した。

長時間労働を止め、質の向上に取り組む「働き方改革」が叫ばれて久しいが、スポーツ界にも必要な考え方だろう。実際に、長時間練習を止め、質の高さを追求することで結果を出しているチームは増えてきている。

静岡聖光学院高校の“主体性”

たとえば、ラグビーでは静岡県の静岡聖光学院高校が有名だ。練習は週に3回まで、夏場は1回の練習が90分、冬場は60分という学校が定めたルールのもとに活動をしている。2時間、3時間練習が当たり前の高校スポーツ界では、異例ともいえる練習時間の短さだが、2018年には静岡県を勝ち抜き、花園へ3年ぶり5回目の出場を果たした。

短時間練習で結果を出すことを追求した、星野明宏前監督(現・校長)からバトンを受け継ぎ、今年で4年目を迎えるのが佐々木陽平監督だ。かつては長時間練習で選手たちを鍛えていたが、現在は「限られた時間で工夫して、結果を求めること自体が楽しい。なおかつ勉強の時間もできるので、子どもの生活にとって絶対に必要。これしかないと思っています」と言葉に力を込める。

佐々木監督が考える、短時間練習のキーワードは「主体性」だ。

「短時間練習で結果を出すためには、選手たちが主体的に動かないと絶対にできません。もともと、学校にそのような土壌はありましたが、もっとやるぞとなったのは去年で、私自身も失敗を経てたどり着きました」

佐々木監督が言う「失敗」とは、2年前の静岡県大会決勝で敗れ、花園行きを目前で逃してしまったこと。佐々木監督は悔しい敗戦を経て「当時のメンバーに、主体的に取り組もうという気持ちを持った選手が多かったので、彼らに任せるようになりました」と振り返る。

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最終更新:2019/12/26(木) 12:21
REAL SPORTS

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