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米大統領選「社会主義」なぜ注目 格差拡大「誰のための資本主義か」

2019/12/27(金) 11:35配信

西日本新聞

 「米大統領選で急進左派の候補が支持を広げているのはなぜ?」。西日本新聞あなたの特命取材班に、こんな質問が複数寄せられた。トランプ大統領が「社会主義者」「極左」とやり玉に挙げる野党民主党候補の支持者を取材すると、学生にのしかかる多額の借金や自然災害の激化など米社会が直面する課題に危機感を募らせていた。彼らはその元凶を資本主義に見いだし、社会主義的な「大きな政府」による抜本改革に希望を託している。 

 11月の平日の夜、首都ワシントンに隣接するバージニア州の図書館で、全米最大とされる社会主義団体「米国の民主的社会主義者(DSA)」の地方支部の会合が開かれた。集まったのは「ミレニアル世代」と呼ばれる20~30代が中心の15人。最近、越してきたという初参加の若者もいた。

 会合では大統領選も議題に上った。政府の役割を大幅に拡充し、大企業に増税や規制を課して格差の是正を図るなど彼らの主張する政策を選挙戦の中でどう浸透させるか、意見が交わされた。それらの政策はサンダース上院議員ら民主党最左派候補の公約と重なる。

 頻繁に発言したのは両親がアジア系移民の会社員カイザーさん(36)。トランプ政権の不寛容な移民政策に強く反対する主張に共感してDSAに加わった。この日も「移民取り締まり強化に応じる企業に抗議しよう」と協力を求めた。

 カイザーさんが活動を始めた背景には「チェンジ(変革)」を訴えたオバマ前大統領への失望もあった。一例が「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革だ。「しないよりマシだったが、中途半端に終わった」

 今春、カイザーさんは激しい腹痛に襲われ、病院で救急治療を受けた。だが、加入していた民間の保険が適用されるかどうかで保険会社側とトラブルに。さらに自己負担額を巡る交渉が半年も続いた。妻は結婚前、家計が苦しくて保険に入れないまま交通事故に遭い、約200万円の治療費を14年かけて支払った。

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最終更新:2019/12/27(金) 11:35
西日本新聞

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