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「半ちゃんラーメン」幸楽苑に商標権 全国展開への礎に

2019/12/29(日) 10:06配信

福島民報

 食べ盛りの学生やサラリーマンに人気の「半ちゃんラーメン」。食堂などの定番メニューの一つだが、商標登録されたのは三十七年前にさかのぼる。ラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングス(本社・郡山市)が取得し、現在も商標権を持っている。

 幸楽苑は一九七七(昭和五十二)年に郡山駅前店(現在は閉店)で半ちゃんラーメンの提供を始めた。当時は創業の地・会津若松市に次いで郡山市に進出したばかり。半ちゃんラーメンができる前、郡山二号店として開店した郡山駅前店は閑古鳥が鳴いていたという。

 同店はJR郡山駅西口そばの好立地ながら店舗は地下一階にあった。全五十二席が満席になることはなく、ぽつりぽつりと客が来る程度だった。創業者の三男で、専務として郡山進出の責任者を務めていた現会長の新井田伝さん(75)は頭を抱える日々だった。

 ある日、客の注文に応じて提供した小皿に盛ったチャーハンがヒントになった。中華そばとミニチャーハンをセットにして売り出すと、あっという間に評判となった。ラーメンだけでは物足りない客の胃袋をつかみ、次々に注文が入った。昼時は階段にまで行列ができ、半ちゃんラーメンが看板メニューとなった。幸楽苑を東証一部上場企業に成長させた新井田さんは振り返る。

 「黎明(れいめい)期の幸楽苑に弾みをつけてくれたメニュー。撤退寸前だった店が息を吹き返した」

 半ちゃんラーメンはすぐに会津若松市などの他店舗にも導入した。名前の由来は「半分の量のチャーハン」と思われがちだが、そうではない。答えは最初に小皿に盛って提供した、なじみ客の注文方法にあった。

 毎週一回程度、利用していたそのなじみ客はマージャンを楽しんだ後、小腹を満たしに来店した。ただ、いつも頼むチャーハンでなく、厨房(ちゅうぼう)に立っていた新井田さんにこう告げた。

 「専務、マージャンを半チャンやってきた。疲れたのでチャーハンも半チャンで」

 マージャン用語の半チャンとチャーハンを組み合わせ、何気なく発せられた言葉。新井田さんは語呂の響きの良さにピンときた。中華そばと合わせて「半ちゃんラーメン」と名付けた。一九七七年十二月に商標出願すると、一九八二年六月に登録された。

 店舗のメニュー表には当初、半ちゃんラーメンの商標登録を幸楽苑が有していると記した。人気メニューゆえ、「半ちゃんラーメン」をメニュー化するライバル店が相次いだためだ。新井田さんは無断で半ちゃんラーメンを掲げる店舗に直接出向き、使用をやめるように求めたこともある。だが、人気は独り歩きし、使用する店は広がるばかり。中止を求める作業は追い付かなくなった。半ちゃんラーメンがより多くの人に親しまれるようにと、現在は半ちゃんラーメンの名称使用を認めている。

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最終更新:2019/12/29(日) 10:06
福島民報

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