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リニア中央新幹線工事 「大井川の水問題」って何ですか? そもそも、何が問題なんですか? 静岡新聞記者が徹底解説

2019/12/30(月) 14:02配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

■品川―名古屋 2027年部分開業目指すリニア

 JR東海によるリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事で、大井川の流量減少が問題になっているのはなぜでしょうか。
 リニア中央新幹線は2037年をめどに東京・品川-大阪間の全線開通を目指しています。27年には品川-名古屋間が部分開業する予定で、直線に近いルートを採用しています。静岡県内では静岡市の北端部にある南アルプスを横切る計画です。南アルプスには大井川の起点があり、中下流域に住む人たちの水源になっています。

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■「特殊」なトンネル

 南アルプストンネルは山梨、静岡、長野の3県にまたがる全長約25キロの長大なトンネルで、三つの工区に分けて建設工事が行われます。静岡県内の区間は10・7キロ。トンネルは山梨県と長野県の東西の出入り口から掘り始めると同時に、静岡県内の南アルプス山中に造る非常口からも掘り進めることになっています。

 また、以下の3点で非常に特殊なトンネルになっています。

【特殊性 その1】異なる3水系を貫く

 南アルプストンネルは山梨県内の富士川水系、静岡県内の大井川水系、長野県内の天竜川水系という三つの異なる大きな水系を貫きます。建設中にトンネル内から湧き出た大井川水系の水が、トンネルの両端から外に出てしまうと大井川流域に戻ってきません。

【特殊性 その2】大井川の「下」を通る

 リニアは富士川や天竜川については橋の上を通過しますが、大井川は直下のトンネルを通ります。大規模な河川の水源の下を鉄道トンネルが横切るのは珍しいのです。大井川の水が直下にある断層を伝ってトンネル内に漏れ出す恐れがあるとされています。

【特殊性 その3】複雑な地質で水が浸透しやすい構造の可能性

 西側を中央構造線、東側を糸魚川ー静岡構造線と呼ばれる巨大な段層に区切られた南アルプスは年間数ミリずつ隆起し、地下には垂直方向の断層がたくさんあるとされます。断層には破砕帯と呼ばれる水が通りやすい部分が多く、水が浸透しやすい構造になっている可能性があります。ところが、これまでの地質調査では、どの程度、水が浸透しやすいのか詳細には分かっていません。

 では、トンネル工事にどんな課題があるのでしょうか。

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最終更新:2019/12/30(月) 21:14
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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