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領収書を2種類作成、報酬額偽装か 河井案氏疑惑 車上運動員向け

2019/12/30(月) 7:00配信

中国新聞デジタル

 自民党の河井克行前法相(衆院広島3区)の妻案里氏(参院広島)に浮上した7月の参院選広島選挙区(改選数2)を巡る公選法違反(買収)疑惑で、案里氏の事務所が車上運動員に上限を超す報酬を払った具体的な手法が29日、関係者への取材で分かった。支出の名目などが異なる2種類の領収書を作り、運動員としての報酬は上限内の1日1万5千円に収める工作を施したと証言している。

【写真】領収書の写し

 案里氏の疑惑を受けて10月末に法相を辞任した克行氏のこれまでの選挙でも、車上運動員の報酬を「1日3万円」とする手法が常態化していた可能性も、複数の関係者の証言で判明した。克行氏の辞任の翌日以降、夫妻はともに公の場に姿を現しておらず、説明責任を果たすよう求める声が強まるのは必至だ。

 関係者によると、案里氏の事務所は7月4日公示、21日投開票の参院選で、選挙カーから支持を訴える車上運動員13人に、1日当たりの報酬として公選法の上限の2倍に当たる3万円を支払ったという。

 この際に案里氏の事務所は、1万5千円の領収書を2種類、作成した。1枚は支出の名目を「車上運動員報酬」とし、「人件費」としたもう1枚と区別していた。車上運動員への支払いは、上限内の1万5千円だったと見せかけるための偽装工作だったとしている。広島県選管に提出した選挙運動費用の収支報告書には、「報酬」の領収書だけを添えている。

 工作ではさらに、支出の日付や金の支払い元の名称も変えていた。「報酬」の領収書は投開票日の7月21日とする一方、「人件費」は公示前の7月1日だった。運動員のうち少なくとも半数以上は投開票日かその直前に領収書へサインしており、「人件費」は実態がない可能性が高い。

 さらに、複数の関係者が中国新聞の取材に対して、「過去の克行氏の選挙でも『1日3万円』は常識だった。河井氏の陣営では定着している」と明かした。

 夫妻の疑惑を巡っては、有権者や大学教授たちが広島地検に告発する動きが相次ぎ、地検が車上運動員の疑惑で捜査に着手したと判明している。案里氏の事務所はこれまでの取材に対し「公選法に抵触することは一切していない。当局から協力を求められれば真摯(しんし)に対応し、説明する」としている。

中国新聞社

最終更新:2019/12/30(月) 7:00
中国新聞デジタル

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