ここから本文です

[箱根駅伝]5強・國學院大はなぜ飛躍した?前田監督「信頼築く」も「仲良しではない」指導信念

2019/12/31(火) 10:08配信

REAL SPORTS

「歴史を変える挑戦」。2020年1月2日に始まる第96回箱根駅伝で、國學院大学が旋風を巻き起こそうとしている。前回大会で同校史上最高成績の往路3位、総合7位、今年の出雲駅伝では初優勝を成し遂げるなど、着実にその力をつけてきたその背景には、就任11年目となる前田康弘監督の存在がある。
近年パワハラなどの問題が数多く噴出している今、指導者は難しい立場にあるかもしれない。だがこんな時代だからこそ、やれること、やるべきことがあるはずだと口にする前田監督に、指導において大切にしている信念を聞いた。

(インタビュー・構成=花田雪、撮影=軍記ひろし)

選手との信頼関係を築くために必要なこととは

指導者にとっては、難しい時代なのかもしれない――。

スポーツにおけるパワハラ問題が噴出する昨今。“昭和”を象徴する強引な指導法は、今の選手には通用しない。厳しい指導は時として批判の対象になり、選手に物を言えない指導者も増えている。

そんな時代を生きる指導者は、どうやって選手と向き合い、時代と折り合いをつけているのか――。

41歳という若さながら指導歴11年目を迎える國學院大學の前田康弘監督は、「心に響く指導をしなければ、選手との信頼関係は築けない」と語る。

就任時、3年続けて箱根駅伝出場を逃していた同校を、10年かけて大学屈指の強豪へと育て上げた。それでも、この時代だからこその指導の難しさを日々感じているという。

「私は駒澤大学時代、幸いなことに主将として箱根駅伝で優勝という経験をさせてもらいました。ただ、当時は大八木(弘明)監督に出されるメニューをこなしていれば、日本一になれると思って練習しているだけでした。大八木先生の指導法も、今とはまったく違うと思います。でも、変わらない部分もある。それが『心に響く指導』の大切さです。人間ですから、いくら指導者の言葉でも自分が納得できることでなければやりたいと思わない。指導者としていかに選手の心に響かせるか、それが重要です」

「心に響く指導」とは何か――。
時代が変わり、選手たちが変われば、何が響くのかも当然変わってくる。

「私はまだ指導歴が10年程度ですが、それでも以前と比べて選手たちの気質が変化してきているのは感じます。まずは、総じて線が細い。これは特にメンタル面でいえることです。練習でやれていたことが試合で出せない、周りの言葉にすぐに影響されて揺らいでしまう。そういう選手が増えてきている印象です。そうなると当然、必要なのは精神面でのケアです」

もちろん、能力と同様に精神面でも選手によって差がある。強い言葉で指導した方が効果のある選手もいれば、委縮するタイプもいるだろう。その見極めをするために前田監督が重視しているのが選手との対話だ。

「実際に顔と顔を突き合わせて話をしないとわからないことってあるじゃないですか。だから、選手と話す時間はなるべく持つように心がけています。でも、今の選手は『話しに来い』といってもなかなか来ません。普通にLINEで要件を済ませようとする選手もいます。でも、文面だけではわからないことがある。同じ言葉でも、笑いながら話すのと暗い顔して話すのでは意味が変わってくる。だから選手たちにはなるべく顔を見て話したいと伝えて、そういう時間を確保しようと考えています」

1/3ページ

最終更新:2019/12/31(火) 12:24
REAL SPORTS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ