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「芋虫の沼」に注ぐマニア愛、「いきもにあ」で見た幸せな風景 「メジャーじゃない」から生まれる多様性

1/12(日) 7:00配信

withnews

見つけてしまいました。キノコ、虫、無脊椎動物、粘菌……といった「生き物」に異常な愛を注ぐ人たちの祭典。その名も「いきもにあ」。生き物をモチーフにしたグッズ販売あり、一線の研究者の講演ありと大変濃い内容。全身、キノコになりきった人。毛虫愛を語ると止まらないユニット。会場で見たのは生き物への真摯な気持ちと、好奇心が広がる面白さでした。(朝日新聞記者・杉浦奈実)

【画像】「うんこするところも、擬態するところも」芋虫毛虫が好きすぎて作った仰天グッズ

「メジャーじゃない生き物」好き

ちなみに私、どんぐりが、好きです。秋、気づけばポケットに5、6個入っています。旅先で自分の住む地域にない種に出会うとにやにやしてしまいます。

私と同じように、ペットとは違う、ある意味メジャーではない生き物への愛を胸に秘めている人は多いと勝手に思っていました。

ただ、日常生活でばったり出会うことはなかなかない……。

「いきもにあ」には、そんな人たちが詰めかけていました。
会場につくと、入り口には長蛇の列。子どもからご年配、男女もばらばらで、一見して何のイベントなのか分かりません。しかし、よく見ると帽子についているカラフルなブローチがミジンコをモチーフにしていたり、肩から提げたカバンからハシビロコウが強いまなざしを送ったりしていることに気づきました。期待に胸が高鳴ります。

いざ、入場。会場は1階、中1階、2階とかなり広いのですが、200ほどあるブースにはどこもすぐに多くの人だかりができました。出展者の中には展示物にちなんだコスプレをしている人もいて、目を引きます。

手作りキノコ衣装で「使えるキノコ」を販売

全身をキノコの衣装に包んだ「りんごきのこ」さん(@kinokomama5)に声をかけてみました。それは、なんというキノコですか?

「キヌガサタケです。『キノコの女王』と呼ばれていて、中国では高級食材なんです。ハエもついてます」

え、ハエ?

「キノコバエといって、キノコが頭から出す臭いにおいに寄ってきて、胞子をつけるんです」

見せてもらうと、確かに頭にプラ板でつくった透明な羽をもつハエが。キノコ部分も含め、全て手作りしたそうです。再現度がすごい。お客さんが「写真撮ってもいいですか」と声をかけてスマートフォンを向けていきます。

りんごきのこさんは、陶器で作ったキノコ型の入れ物やランプなどを売っていました。ランプはこびとが住んでいそうなかわいらしい見た目ですが、もちろんモデルがあります。ソライロタケ、タマゴタケ、ポルチーニと微妙な配色を再現しています。単に置物でなく「生活で使えるキノコ」を目指しているそうです。

趣味で陶芸を始め、何をモチーフにしようと考えた時に「色々な種があって面白い」と「ビジュアルから入った」というりんごきのこさん。10年ほど経った今では山にキノコを探しに行き、キノコに詳しい人からの意見も作品に反映しています。

自身の一番好きなキノコを尋ねると、キノコの傘の下で顔を覆い、うーん、としばらく考えたあと、「アカネアミアシイグチです。富士山に生えている、きれいなキノコです」と教えてくれました。

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最終更新:1/12(日) 7:00
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