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日本×台湾の大学 地域活性化へ連携 組織発足で合意 農漁村の課題解決

1/4(土) 7:07配信

日本農業新聞

 日本の4大学と台湾の6大学が、地域振興に向けた連携組織を作り、協力することになった。高齢化や過疎は双方が直面する社会の課題。お互いの研究や教育の経験を持ち寄り、地域の活性化に役立てる。少子化の中で大学そのものの存立が問われる中、異色の大学間協力が動きだす。

 このほど、台湾南部の高雄で双方の副学長が会合を開き、連携に向けた準備会合の設置で合意。今年半ばに再び台湾で参加大学の学長が集まり正式に連携組織の発足を確認する運びだ。

 日本からは高知、信州、千葉、龍谷大学、台湾からは成功大学などが準備組織に参加する。台湾側は今後10大学以上に増える見込みだ。社会貢献を掲げた日台大学間連携が動き出すのは初めて。

 昨年11月末に高雄で開かれた第2回大学社会責任博覧会の巨大な展示会場は、2日間、お祭り騒ぎのようだった。100以上の大学が参加し、それぞれ特産作りや地域の伝統文化などのキーワードごとに成果を展示した。工業のイメージの強い台湾でも、地域のことになると農業関連の取り組みが目立つ。

 展示の多くは、大学周辺の企業や農業団体と一緒に人材育成や製品開発をした成果が占めた。熱帯果実やコーヒー豆を使った新しい農産加工品を地元農家と開発した事例や、減農薬に向けた技術支援などを紹介した大学もあった。珍しい商品や学生たちのパフォーマンスを見ようと、会場は地元住民で終日ごった返した。

 連携に加わる台湾海洋大学の荘季高副学長は「台湾の出生率は世界最低水準に落ち込んだ。日本よりも社会の高齢化が加速することは確実。農漁村の活性化に大学としてどう立ち向かうかが問われている」と説明する。

 蔡英文政権は日本の取り組みを念頭に、台湾の「地方創生元年」を宣言。2018年から大学に予算を付け、教員や学生などの資源を投入して地元の社会貢献を本気で取り組むよう背中を押した。「台日は気候や農林水産業、社会の姿で共通するところが多い」(荘副学長)ことから、日本の大学に連携を呼び掛けたのが始まりだ。

 日本でも文科省が、13年度から大学の社会貢献の一環として、地元が抱える課題を解決するための支援事業を続けてきた。この分野で先行している4大学が、台湾側からの提案を受け、地域振興のための組織づくりが動きだした。

社会貢献の知見を共有

 日台の大学間では、教職員、学生の交流など実質的に連携の動きが始まっている。従来は研究教育が中心だったが、新たに社会貢献の分野でノウハウを共有する。

 信州大学の中村宗一郎副学長は「これまで私たちが積み上げてきた地域貢献の知見は、アジアでも役立つだろう。学生を巻き込む華やかな台湾の進め方は日本でも見習う点がある。双方に利点がある形で日台の大学連携が動くことを期待している」と話している。(特別編集委員・山田優)

日本農業新聞

最終更新:1/4(土) 7:07
日本農業新聞

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