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緊急時聴覚障害者SOS救え 遠隔手話やスマホ活用

1/5(日) 9:34配信

福島民報

 二〇一九年十月の台風19号を教訓として、緊急時に聴覚障害者が助けを求める手段が注目される。浸水した地域で自宅にいた聴覚障害者が逃げ遅れたり、救助隊員らの声に気付けず取り残されたりするケースがあった。郡山市など県内の一部地域ではテレビ電話の遠隔手話サービス、文字で一一九番通報できるシステムの導入が進む。一方で各市町村間の対応には温度差があり、スマートフォンなどに不慣れな高齢者への普及なども課題に浮上している。

■気付かぬ兆候

 台風19号で床上浸水被害に遭った郡山市安積町の佐藤邦子さん(66)は夫栄治さん(71)とともに聴覚障害者だ。二人暮らしのため、激しい雨音や、緊急車両のサイレン、呼び掛けなどに反応しづらい。台風19号の際、一階で寝ていた邦子さんが浸水に気付いたのは十月十三日午前三時ごろだった。

 会話のやり取りが必要になるため、二人にとって自力での一一九番通報は難しい。このため、郡山市が二〇一九年度に始めた「遠隔手話サービス」を使って救助を求めた。

 スマホのアプリでテレビ電話をつなぎ、市の手話通訳者に手話で状況を伝えた。市から通報を受けた消防隊によって救出されたのは午後二時ごろだった。邦子さんは「サービスがなかったら、二人でどう対応していたものか…」と振り返る。

 福島市消防本部は昨年四月から県内で初めて、聴覚や発声に障害がある人がスマホを通じて文字で一一九番通報できる「Net119緊急通報システム」の運用を始めた。

 住所や障害の内容を事前登録し、専用アプリの画面上で「救急」「火事」などの項目を選ぶ。文字による会話機能を通して状況を細かく伝えられ、衛星利用測位システム(GPS)によって発信位置を特定できるメリットもある。

 二〇二〇(令和二)年度には県内十二消防本部のうち福島を含めて九本部に導入が広がる予定だ。

■普及への壁

 通報支援制度の普及で課題も浮かび上がっている。県内で遠隔手話サービスを導入したのは郡山市、いわき市など一部にとどまる。国が推奨しているが、活用は市町村レベルでの判断となり、財政的な負担や受益者の数が少ないことなどを背景として、自治体間で対応に差が出ている。

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最終更新:1/5(日) 9:34
福島民報

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