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そのキャビアはどこから? 中国が主要生産国の一つに

1/5(日) 12:06配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【1月5日 AFP】フランスのレストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で星を獲得したレストランで出されるキャビアは、意外な国で生産されたものかもしれない――中国だ。

 食品スキャンダルが相次いでいる中国だが、世界最大のキャビア生産国の一つとなっており、中国産キャビアは世界の専門家から高い評価を得ている。

 中国産キャビアの大半は、浙江(Zhejiang)省東部の山あいにある風光明媚(めいび)な千島湖(Qiandao Laike)で養殖された、業界大手「カルーガクイーン(Kaluga Queen)」のものだ。同社は農業農村省の専門家らによって2005年に設立された企業で、現在世界市場の3分の1以上を同社のキャビアが占めている。

 カルーガクイーンのチョウザメ養殖場は、千島湖岸から船で20分ほど行ったところにある。チョウザメの寿命は7~15年で、大きいもので全長4メートル、体重300キロになる。

■カスピ海ではチョウザメが絶滅の危機に

 キャビアは長年、イランとロシアがカスピ海(Caspian Sea)で漁獲した野生のチョウザメの卵が主流だった。だが、チョウザメの漁獲量を規制していたソビエト連邦が1991年に崩壊すると乱獲や密輸が横行し、チョウザメは絶滅の危機に陥った。2008年にカスピ海でのチョウザメ漁が禁止されると、世界各地に養殖場がつくられ、今ではイタリア、フランス、中国が主要生産国となっている。

 従業員300人のカルーガクイーンは約20万匹のチョウザメを養殖しており、昨年のキャビア生産量は86トンに上った。大部分は輸出されていて、うち欧州連合(EU)が50%、米国が20%、ロシアが10%を占めている。価格はチョウザメの種によって異なるが、1キロ当たり1万~18万元(約16万~280万円)に上る。高い種類だと1匹から200万元(約3100万円)相当のキャビアがとれることもあるという。

■品質に懐疑的な顧客も

 カルーガクイーンの副社長、夏永濤(Xia Yongtao)氏は、2006年の初出荷以来、顧客の信頼を得るため「長い道のり」を歩んできたと話す。同社は、中国の食品スキャンダルのニュースをよく目にしている国外の顧客の懐疑的な態度の払拭(ふっしょく)に努めている。

「数年前まで顧客は中国産キャビアに気乗りしない様子だった」と話すのは、仏パリを拠点とするキャビア卸売業者「キャビアリ(Kaviari)」のラファエル・ブシェ(Raphael Bouchez)社長だ。

 ブシェ氏は、中国生産者の養殖方法や環境に配慮していることを顧客に説明している。同氏は「中国産キャビアは非常に高品質」と評価しているが、「それでも、多くのシェフは使いたがらない。フランスやウルグアイなどで生産されたキャビアを好む」と話す。

 今日、カルーガクイーンの年間売上高は2億2000万元(約34億円)に上る。世界中のレストランで使われており、ドイツのルフトハンザ航空(Lufthansa)や仏高級レストラン「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション(L'Atelier de Joel Robuchon)」、ミシュランガイドの星を獲得している上海のレストラン2軒なども顧客だ。

 また夏氏によると、ある卸売業者は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長にカルーガクイーンのキャビアを販売したことがあるという。

 映像は2019年11月撮影。(c)AFPBB News

最終更新:1/5(日) 12:06
AFPBB News

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