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Bリーグ誕生によって変化を見せる大学バスケ環境(前編)

1/6(月) 11:50配信

バスケットボールスピリッツ

二言目にはBリーグに行きたい

「今は入学した時から、二言目にはBリーグに行きたいという学生が多いです」と言うのは、大東文化大学の西尾吉弘監督だ。今の大学4年生たちにとっては、入学した時にBリーグが誕生した。あれから4年が経ち、今シーズンも新卒ルーキーや在学中に挑戦できる特別指定選手を迎え入れている。

「プロに行ったとしてもあまりお金をもらえなかったり、選手寿命を考えても実業団チームで仕事をしながらプレーして、引退後の安定を求める選手が多かった時期もありました」と専修大学の佐々木優一ヘッドコーチが言うとおり、Bリーグ以前は夢や希望をあまり持てなかった。しかし、富樫勇樹(千葉ジェッツ)が1億円プレーヤーとなり、平均年俸1610万円とBリーグは右肩上がりの成長を見せる。プロへ送り出す側である大学バスケ部のコーチたちは、選手たちの将来に対してどう対応しているのだろうか。

「大学は大人になるためのステップでもあるので、4年間でしっかりと見極めさせるようにはしています。実業団やプロなどいろんな道があることを先輩方から教えてもらったり、僕も伝えてはいますが、結局は自分で決めることです。いろんなアドバイスをしつつ、その決断に対しては全面的にプッシュするようにはしています。それはプロでも、実業団でも同じです」(西尾監督)

「学生であっても甘えは許さずに、その先のプロのレベルにつながる準備をしっかりしておこう、と言っています。逆にプロができたことで、我々としても伝えやすくなりました。昨シーズンの特別指定で盛實(海翔/サンロッカーズ渋谷)が学生のうちにプロを経験し、そこで得たものを持ち帰ってきてくれるのも大きいです。これではダメだ、とさらに意識を高く持って練習するようになりました。特に上級生はよりプロへの意識が高くなっているからこそ、普段のプレーにも良い影響が出ています」(佐々木監督)

チームが欲しいと思う選手が行く世界がプロ

自らもプロ選手として活躍した白鴎大学の網野友雄監督は、「僕が大学生のときのトップリーグ(JBLスーパーリーグ)は8チームしかなかったです。正確な数字は分からないですが、当時の4年生の中から一桁もそこに行けない狭き門でした。そう考えると、今は間口が広いですよね」とその差は大きい。B1とB2は各18チームで構成され、さらに12チームで昇格を狙うB3も含めると48チームが受け皿となる。「Bリーグも4年目になり、だいぶいろんなチームで選手が埋まりはじめてもいます。実は間口が広がっているようで、少しずつ入ることも難しくなっています」(網野監督)というのが現状だ。昇降格がある以上は即戦力が求められ、Bリーグ内だけで選手が廻遊している状況を懸念する大学コーチも少なくはない。

プロチームとの交渉に対し、「学生を欲して試合を見に来て評価してくれるチームと、人脈などを使ってアプローチしてくるチームがあります。こちらとしては、見に来て評価してくれるとすごくありがたいです」と網野監督は考えている。元プロ選手ゆえにその人脈は数多あるが、「基本的にはチームが欲しいと思う選手が行く世界がプロだと思っています。こちらとしては、プロの目に止まるような選手を育成しなければいけないという思いはあります」と大学側が上を目指しているからこそ、プロチーム側もきちんと評価する体制作りが急がれる。

卒業生たちがプロとなって活躍しているのを目の当たりにし、「一番うれしいのは、大学のときよりもプロになって上手くなった姿を見られていることです。さらに良い経験をしながらバスケットを続けてくれている姿を見るだけで勇気をもらえます。また、大東文化大学での通過点は間違っていなかったのかな、とこちらとしても自信になります」と西尾監督の励みになっている。Bリーグができたことで選手たちはもちろんだが、コーチ陣もひとつレベルを上げて指導しなければならず、必然的にバスケに取り組む環境が良い方向へ変化を見せはじめていた。


Bリーグ誕生によって変化を見せる大学バスケ環境(後編)へ続く

泉誠一

最終更新:1/6(月) 11:59
バスケットボールスピリッツ

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