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音楽で振り返るゲーム史、パズドラ作曲家「手ごわかったガラケー」 ソシャゲへの偏見「魂売ったな」

1/16(木) 7:00配信

withnews

リメイクはオリジナルより大変

――モバイルゲームは家庭用ゲーム機と違って、音を出さないでプレーされることも多いと思います。ここら辺は音楽をつくられている側としてはどう思われているのでしょうか。

私の場合は、そこはユーザーに委ねています。「絶対に曲を聴きながらプレーして」とも言えないし、しかたのない部分ではありますよね。移動中だと音を出すのが難しい場面も多いと思いますし。ただ最近は、『ロマンシングサガリ・ユニバース』(リ・ユニバース)のように、ゲームの開始画面に「ヘッドホンでプレーすると、よりSaGaの世界を楽しめます。」みたいなことが書いてあるゲームも増えたので、そこは感謝しています。


――最近のスマホゲームは『リ・ユニバース』のように家庭用ゲーム機で人気だったタイトルのリメイクやリニューアルが多いです。いちユーザーからすると、改めて面白さを感じるものと、「お金稼ぎか?」と思わず思ってしまうものがあります。サガシリーズは30周年のタイミングで、『リ・ユニバース』のヒットや『ロマンシングサ・ガ3』のHDリマスターの高評価など非常に評判が良いですが、この流れをイトケンさんはどう感じていますか。

もととなったオリジナルのゲームを何十年経った今でも評価いただけているのは光栄なことです。

リメイクとかリニューアルって当時のオリジナルをつくっていたときよりも大変なことだと思うんです。品質を保ったうえで、もっと上にいかなきゃいけないですからね。だからこそ、昔ヒットした作品だからスマホに移行して金もうけしよう、みたいに見えるゲームは残念だし、そのゲームに対して失礼じゃないですか。

だから、つくり手側がそういう気持ちにならないでほしいと本当に思いますし、私自身も毎回念頭に置いて制作しています。

ゲームの裾のを広げた「ソシャゲ」

筆者も関わるお笑いコンビ「アメリカザリガニ」の平井さんが配信するゲーム実況風番組「スーパーピコピコクラブ」が2013年にスタートした時、掲げたのは「家庭用ゲーム機を盛り上げたい」という思いでした。

当時は、ガンホーの時価総額が瞬間的に任天堂を超えるほどモバイルゲームの勢いがあり、家庭用ゲーム機の将来が心配されていた時期でした。

あれから6年。2019年を代表するゲームを決める世界最大級のゲームの表彰式典「TheGameAwards2019」では、家庭用ゲーム機のタイトルが並びました。

フロム・ソフトウェアの『SEKIRO』が大賞を受賞し、ソニーから発売された『DEATHSTRANDING』が3部門受賞、カプコンの『デビルメイクライ5』が1部門受賞しています。あの時の心配など吹き飛ぶほど、日本のゲームが注目を集め、家庭用ゲーム機も盛り上がっています。

今振り返ってみれば、「モバイルゲームは家庭用ゲーム機と対立するものではなくゲームの裾野を広げたもの」だと思えます。ですが、当時は一人のユーザーとして「モバイルゲームが脅威」だと感じていたことを、イトケンさんの話を聞いて思い出しました。

筆者がイトケンさんに取材させてもらうのは2度目になります。1度目は「サガ」シリーズの音楽を中心に「ゲーム音楽のつくりかた」について話をうかがいました。そのときの取材で印象に残っているのが「ゲーム音楽は双方向だから盛り上がる」というもの。

2019年はAirPodsProなどノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホンやヘッドホンが売れました。

2020年以降は、より没入感の高い状態でゲームならではの双方向を楽しむ人が増えていくでしょう。その時、どんなゲーム音楽が生まれるのか。「裾のを広げた」その先を追いかけていきたいと思います。

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最終更新:1/16(木) 7:00
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