ここから本文です

代替肉による食品革命が世界的な動き 日本での市場拡大のカギは

1/7(火) 15:30配信

日本食糧新聞

SDGs(持続可能な開発目標)の理念に賛同する食品企業を中心に、プラントベースフード(植物性食品)の開発が活発化している世界的な動きの中で、2020年は日本において“食品の革命”の幕開けに成り得るだろう。その代表製品が、代替肉(フェイクミート、ベジミート)であり、イメージ戦略と手軽さが市場拡大の鍵を握る。

【すべての画像をみる】2019年発売の代替肉加工食品

味づくりの完成度とイメージ戦略でブレークも

ビーガンやベジタリアンといった“食”に関する主義は、個人的な思想や宗教上のタブー、あるいは、地球環境保全、天然資源消費の抑制、動物愛護など、多面的な理由が背景となっている。菜食主義は欧米に多いイメージだが、アジアでもインドや台湾などでは信仰的な理由からかなり自然な形で食習慣として根付いている。

一方で日本はというと、現状では一般社会的に浸透しているとはいえない。しかし、世界でもトップの約25%を占める巨大マーケットをもつ米国は、現在進行形で代替肉を使用した加工食品の開発に余念がない。

マクドナルドやデニーズ、ダンキン・ドーナツとも契約を結ぶビヨンド・ミート、「Impossible Burger」を完成させたインポッシブル・フーズ、米国ネスレが買収したスウィートアースなどが市場をリード。

そして、これらの企業がアジア市場に目を向けていることも確かだ。昨年に「Impossible Burger」は香港で提供し、台湾のモスバーガーはビヨンド・ミートのソイパティーを使ったハンバーガー「MOS Burger with Beyond Meat」を発売した。

しかし、なぜかいずれも2019年12月中旬時点では日本への進出や、素材の輸入といった話を聞かない。昨年夏は、ビヨンド・ミートに出資していた三井物産の発表で、予定していた日本でのビヨンド・ミート製品の販売計画を取りやめたことも明らかになった。

理由はさまざま推測されるが、世界より一歩出遅れた感も否めない日本市場の中で、代替肉が2020年にどのようにブレークしていくかは、やはり味づくりの完成度とイメージ戦略によるところが大きいと考える。

日本人の場合は主義・主張で菜食を選ぶというよりも、低カロリー・低脂質、栄養素といった要素を重視したヘルシー志向による摂取のケースが多い。また残念ながら「どうせおいしくない」といった思い込みが一般的に払拭(ふっしょく)し切れておらず、このマイナスイメージを打ち砕くほどの“おいしい”作り込みが必須だ。

ただし、おいしさと一言でいっても、食感・香り・見た目を含む複雑な要素が絡み合うため、製造メーカーの開発技術がこの“食品の革命”を左右する大きな鍵の一つとなる。

とはいえ、健康志向がますます高まる中で、ヘルシーな食事としての認知は徐々に広がりつつある。2019年新発売した代替肉加工食品の代表的なものを、食の新製品情報サイト「食@新製品」のデータベースを基に示した。

従来の肉製品のおいしさや使い勝手、購入しやすい価格帯、幅広い選択肢といった条件を満たすまでには未達の部分もあるが、この1年で確実にアイテム数は増加している。調理済み、あるいはすぐに食べられる簡便さも、特徴的といってよい。

また、パッケージでいかに“本物の肉”に近づけたかを強調する商品がある半面、代替肉を大きくうたわないものもある。あるいは“大豆”というキーワードでヘルシーイメージを訴求するアイテムもあり、一概に“代替肉”そのものを強調しているわけではないことが見えてきた。今後は日本でもファストフード店での展開がなされれば、若い世代へのアプローチとしても有効だろう。

2014年ごろ、フレキシタリアン(Flexitarians)という「フレキシブル」と「ベジタリアン」からなる造語が生まれた。厳格な制限を設けず、時として肉や魚も摂取する主義を指し、日本では“ゆるベジ”などと呼ばれ、気楽に菜食を始めたいという人や健康を気遣う人に反響があった。

日本の消費者に向けては、むしろ肉の代わりという理由から離れ、植物由来というポイントやそのさまざまな背景価値に重きを置き、日々の生活に自然に取り入れる導引が必要といえよう。

1/2ページ

最終更新:1/7(火) 15:30
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ