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重度障害を持つ政治家が誕生したことが最強のカウンター 希望なき令和の時代に希望を見出す

1/7(火) 11:24配信

BuzzFeed Japan

知的障害者の入所施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を刺殺し、26人に重軽傷を負わせた元職員、植松聖被告が1月8日に初公判を迎える。事件が起きた3年半前よりも、日本社会の空気は殺伐としていると感じる作家の雨宮処凛さんは、未来への希望がないか問う私に、当事者自身が声を挙げることの意義を語った。【BuzzFeed Japan Medical/岩永直子】

社会運動は有効か?

ーー2015年の安保法制強行採決の時には、若者も含めたあらゆる層がデモに参加していました。しかし、抗議の力によってひっくり返すほどの大きなうねりにはなかなかなりません。運動が社会を変えられるのかという疑問に対して、運動を続けてきた雨宮さんはどう答えますか?

もちろん、今も運動を続けている若い人はいます。しかし、生活はますますひどい状況になっているのに、それに対して若い人や非正規の人で声をあげられているのは、非正規雇用者が2000万人以上ということを考えると1パーセント以下だと思います。

それは怒ることのできる人が、ある意味で「恵まれている」ということでもあります。

「自分は大切な人間である」とか、「自分はこんなひどいことをされて黙っているような人間じゃない」という、自己肯定感のようなものがあれば怒ることができます。

しかし、ほとんどの人はそんな自己肯定感すらもうない気がします。酷いことをされても、何度もそういう目に遭ってきたし、社会は所詮そういうものだし、自分の人生なんてこんなものという諦めを刷り込まれている気がします。

声をあげて立ち上がれる人は、精神的に健全で、社会に対する信頼もまだあるということかもしれません。それにいろんなことを調べ、学べる時間やお金や文化資本もある。

社会運動は、実はすごく色々なハードルをクリアしないとできない。しかし、当事者はそのハードルを超える力も残っていないし、学校教育の時点で全部芽を摘まれています。

普通に日本で教育を受けたら、率先して過労死するような人格になりかねないし、言うことを聞いて、空気を読んで、企業戦士になれ、ぐらいしか教えられていない。そこで逆らえるのはすごい力です。学生時代に完成している気がしますね。

ーーそうすると、権力を持つ側の思うつぼですよね。

ブラック校則などで、そういう人格をさらに強化しているわけですよね。理不尽でも、とにかく言うことに従わなくてはやっていけないぞと言われ続け、自分の意思を徹底的に否定される。

ーー横でつながったり、一緒に声を上げたりしづらくなっているわけですね。

逆に声を上げた人をみんなで貶めてバッシングして、再起不能になるまでたたきのめすような教育を受けているので、自分の生きる社会をなんとかして変えようとする動きには合流せず、社会を変えようと動いている人たちをバカにして、引き摺り下ろすことに命をかける。

そういう心性は、日本において今では当たり前になっているどころか、圧倒的多数派になっていると思います。

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最終更新:1/7(火) 11:24
BuzzFeed Japan

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