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広告マン時代に、亡くなった父の医療訴訟で6年。業界の実情を知った彼は現場に飛び込んだ

1/8(水) 7:11配信

なかまぁる

岩見俊哉さんは広告会社、銀行関連のシステム会社から理学療法士に転身。現在は東京都府中市をエリアとする訪問看護ステーションの運営のかたわら、介護事業の起業、人材育成、採用戦略に関するコンサルティング業を展開しています。「介護業界は地域のインフラ」と話す岩見さん。医療から出発して介護までを視野に入れた幅広い取り組みを通じてめざすケアのあり方について話を聞きました。

【写真】理学療法がマッサージを直伝

岩見俊哉(いわみ・としや)

認定理学療法士、コーチ、介護事業の経営・人材コンサルタント、スウェディッシュケアセラピスト。1977年新潟県生まれ。大学卒業後、広告会社、地方銀行関連のシステム会社を経て理学療法士に。新潟大学医歯学総合病院、亀田総合病院(千葉)で勤務の後、2016年に「スウェディシュボディケアサロンFamilj(ファミージ)」を設立。現在は「オムソーリ訪問看護リハビリステーション府中」、介護事業の起業・人材育成などのコンサルティングを行う「MAST(マスト)」の2社を運営する。北欧の福祉やケアについての研究をライフワークにしている。

――岩見さんが代表を務める訪問看護ステーション「オムソーリ」はマンションの一室なんですね。

狭く感じるかもしれませんが、ここは事務所スペース。私やスタッフたちの現場は利用者のみなさんのご自宅です。現在「オムソーリ」のスタッフは約20人。利用者は130人ほど。子育て中の人や、介護中の職員も働いていて、1時間単位での有休取得や、訪問先への直行直帰も認めています。昼間は事務所に事務職が待機し、訪問のスタッフが不在になることもあります。

うちの訪問看護事業所は介護保険利用者が7割、医療保険利用者が3割程度と、介護保険領域の高齢者のケアがメインです。スタッフは看護師、理学療法士、作業療法士、アロマセラピスト、訪問美容師などですが、介護職の方とも常に連携しており、定期的に各職種が集まり会議も開いています。多くの訪問看護事業所は、介護保険利用の方が多いです。

――もともと広告会社や銀行のシステム開発の仕事に就いていた岩見さん。20代後半で医療専門学校に入学し、理学療法士の免許を取得されました。理学療法士という職業との出会いは。

広告会社に勤めていた20代のころに父が亡くなり、6年にわたる医療訴訟を経験しました。病院側の管理不足が認められ、最終的には和解となりましたが、この経験を通じて医師や看護師不足など、医療現場の実情を知ったんです。では実際の現場はどうなのだろうと、銀行のシステム会社に勤めながら、病院の介護施設などで1年ほどボランティアも経験しました。これまでの仕事では経験することが少なかった人の思いや価値観に触れる機会が多く、印象に残りました。人の命はもちろん、心と心の関わりに触れるという仕事にやりがいも感じました。

もともと学生時代にバレーボールをやっていて、そのため椎間板(ついかんばん)ヘルニアになって腰痛を抱えてもいたんです。そこでトレーナーや理学療法士と出会い、理学療法士であればスポーツ分野やリハビリ、看護の分野のいずれにも通じるという思いから専門学校に入り直して学ぶことになりました。会社を辞め、3年間学校に通いました。物理や統計など、いままで触れてこなかった教科もあり、かなり大変でしたね(笑)。

僕自身は現在スポーツ分野との関係は少ないのですが、アスリートのケアのためにスポーツ界に進む人もいましたし、逆に選手だった人が理学療法士をめざすケースも。パラスポーツの世界では、事故からのリハビリを通じて理学療法士から競技を勧められた、といった話も聞きますから、スポーツと医療や介護との関係は深いのだと思います。

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最終更新:1/8(水) 13:44
なかまぁる

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