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新宿から6分、杉並の「沖縄タウン」はなぜ作られたのか

1/9(木) 17:31配信

アーバン ライフ メトロ

ほかの沖縄タウンとは、異なる成り立ち

 北海道で育った筆者(増淵敏之。法政大学大学院教授)は、東京から遠い沖縄には理屈抜きの親近感を持っています。

【地図】新宿から電車でたった6分の「和泉明店街」の場所を見る

 2019年末、忘年会で恵比寿の沖縄料理店に行きました。久々の沖縄料理を食べながら、ふと「沖縄タウン」のことを思い出しました。今までにゼミの学生に何人か沖縄出身者がいたので、話だけは聞いていて行ってみたいなと思いつつ、現在に至ってしまったわけです。

 場所は新宿からわずか6分の京王線「代田橋駅」を北口に出て、甲州街道を渡ってすぐのところ。甲州街道の歩道橋を上るところに案内地図もあるので、初めて行ってもわかりやすいと思います。

 正式名称は「和泉明店街」といいます。この商店街は登録約70店舗、総延長380m。小規模ですが、那覇市の栄町市場と似た雰囲気を持つ大都市場を持つ回遊性のある街区構造になっています。

 しかしこの商店街は、横浜市鶴見区にある「沖縄タウン」とは成り立ちが違っています。

沖縄研究の雄が住んだまち

 鶴見区の方は仲通商店街がその中心になっていますが、もともと1899(明治32)年に沖縄から初めての移民がハワイに向かった際、最後の寄港地の横浜で伝染病の検査があり、不合格者が残されて住んだのが始まりと言われています。

 その後、横浜港の開発などに従事する沖縄の人たちが増えていって、戦後の高度成長期に最も多くの人々が移住し、これまでに約3万人以上の人々が定住しました。

 仲通とそのかいわいには沖縄関連の飲食店や物販店も、多く点在しています。また沖縄からの移民も南米方面にいく人々も増え、彼らの子孫が日本に働きに来ることも増えているので、南米関連の飲食店なども目につきます。

 一方、代田橋の方は明らかに街並み整備事業の一環として取り組まれたものです。

 ここは2005(平成17)年のオープンで、同時に甲州街道に架かる歩道橋も整備されました。

 商店街の入り口には、首里城の柱をイメージさせる赤塗りの街路灯が建っています。そして商店街各店の軒先テントも「ミンサー織り」(沖縄の伝統的な織物のひとつ)の柄に統一させるなど、工夫をしています。この商店街整備の事業費用は、杉並区の「千客万来アクティブ商店街事業」補助金を申請、認可を受けて進められました。

 杉並区は、沖縄学の父ともいわれる伊波普猷(いは・ふゆう)、琉球王国の歌謡集『おもろさうし』の研究で知られた仲原善忠(なかはら・ぜんちゅう)など高名な沖縄研究の学者が住んでいた地。23区内でも沖縄関係の居住者が多く、また沖縄料理の飲食店も多いことから、魅力のある沖縄県産品や文化に着目したまちづくりが構想されました。

 現在ではイベントなども実施されており、イベント事業や沖縄県産品の商品確保のために商店主だけで出資した株式会社も設立されています。

 さて、筆者が訪れたのは平日の昼前。さすがに人通りは少なかったのですが、のんびりした時間を過ごさせてもらいました。

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最終更新:1/9(木) 21:09
アーバン ライフ メトロ

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